黒猫のひたい の商品レビュー
井坂洋子の詩「朝礼」をインターネットで読んで、ぜひ詩集がほしいと本屋で探したが見つからない。詩集は諦めようと思っていたころこの本が出版されていた。エッセイだけど同じ作家だし、読んでみようと手に取った。 詩人のことや、孤独、人の死、猫の死についても語られていて、エッセイひとつひとつ...
井坂洋子の詩「朝礼」をインターネットで読んで、ぜひ詩集がほしいと本屋で探したが見つからない。詩集は諦めようと思っていたころこの本が出版されていた。エッセイだけど同じ作家だし、読んでみようと手に取った。 詩人のことや、孤独、人の死、猫の死についても語られていて、エッセイひとつひとつに温かい視線、描写の数々がやさしく届く。 「死と詩と」で語られた、金子光晴の言葉に対して、「なまなましくうつしとる以前になまなましく感じ取らなければならない」という言葉が印象にある。 普通に暮らしていれば通り過ぎてしまうあれこれをきちんと見つめる。それを掬い取る。うつしとる。そういう作業の繰り返しが新しいものを生み出すのだと思う。 次は、作者の詩を読みたい。なまなましく感じ取ったこころで紡がれた、乾かず色褪せない詩を読みたい。
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初めて読む作家。序盤は良かったが中盤あたりから失速。花屋を舞台にしたミステリーという事もあり、花の話が多い。しかし、それがずっと続くためかどうでもよくなってくる。人体の不思議的な話もあるがなんかなーと思ったり。文章はしっかりしているので構成とかをもう少し、見直してほしい気もする。
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