狂書伝 の商品レビュー
十七、八歳の姿に見える斑娘。 官僚で、書画の収蔵家である陳遷。 その収蔵品のなかにある、災いを招く手紙を処分して欲しいと斑娘は弟に頼まれる。 その手紙を手に入れるため陳遷の愛娘を人質にする...
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初めての作家だが、なかなかいい味わいの小説を書くなあ。中国・明時代の江南常松の何とも言えないというか、じわっと怖いというか、えぐいというか、不思議というか、そんな物語を淡々と描いている。権力を握っている地方高官・書家の陳遷が自分勝手で傲慢で、その息子の陳鋼が無茶苦茶な乱暴者で、な...
初めての作家だが、なかなかいい味わいの小説を書くなあ。中国・明時代の江南常松の何とも言えないというか、じわっと怖いというか、えぐいというか、不思議というか、そんな物語を淡々と描いている。権力を握っている地方高官・書家の陳遷が自分勝手で傲慢で、その息子の陳鋼が無茶苦茶な乱暴者で、なんとも胸糞悪い。幼いころに仙人に攫われて修行させられ、歳を取らなくなった斑娘が陳家のもとから曰くのある手紙を手に入れるために、陳遷の娘を誘拐する。それやらなんやら、いろいろな人物が入り乱れて物語は展開する。若い女性の手紙を偏愛する変な趣味の男なども出てくる。視点人物もしょっちゅう変わるし、そんなごちゃごちゃ感がかえって面白い。悪い奴の陳遷は結局罰せられない。勧善懲悪というのでもないのもいい。
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3.6。結構酷い事をサラッと書いてるのが、逆に酷さを際立たせてる独特の筆致が良。ただこの著者は、中長編より短篇や小話が連なる形式の方が好みかも。
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時は明代の中国。揚子江流れる豊かなまちに稀代の名筆家と謳われる男がいた。この男陳遷は、しかしながら権勢家にして行いは残虐非道。人々を恐怖と憤怒に陥れていた。彼を懲らして、同時に世を正すべく暗躍する、仙術を使う異能の女・斑娘。その運命を握るのは、一通の手紙…筆の魔力に取り憑かれた人...
時は明代の中国。揚子江流れる豊かなまちに稀代の名筆家と謳われる男がいた。この男陳遷は、しかしながら権勢家にして行いは残虐非道。人々を恐怖と憤怒に陥れていた。彼を懲らして、同時に世を正すべく暗躍する、仙術を使う異能の女・斑娘。その運命を握るのは、一通の手紙…筆の魔力に取り憑かれた人々の狂奔を描く傑作中華伝奇小説!
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84:でも勝山さんといえばやっぱり、中華もの! おいしそうな点心、おやつ描写や、単なるお粥だけでもおいしそうに感じます。こちらも日常と隣り合った非日常・非現実を描いているけど、地に足がついているようで、でもその地面だと思っていたものは……というような浮遊感がたまりません。 「嬢信...
84:でも勝山さんといえばやっぱり、中華もの! おいしそうな点心、おやつ描写や、単なるお粥だけでもおいしそうに感じます。こちらも日常と隣り合った非日常・非現実を描いているけど、地に足がついているようで、でもその地面だと思っていたものは……というような浮遊感がたまりません。 「嬢信癖」にまつわるあれこれにはニヤついてしまいましたが……(笑)斑娘がカッコかわいいので、中華FTに抵抗がなければぜひ!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ディー判事好きの私には、好みの一冊。ほんのすこしの仙術は出てくるものの展開としては推理小説。終盤、主人公のキャラが普通の人間に見えるけどまぁ気にはならないか。
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念が籠り災いを引き起こそうとしている書を手に入れ成仏させようとする主人公は、不思議な力を持ち大胆だが、万能ではなく冷淡でもなく、故に傷つけるものの少ない方法を選ぶ。問題の書は目指す場所にあるのか、手に入るのか。 記録文書の様に淡々と重ねられる文章に可笑し味と奥行きがある。 登場す...
念が籠り災いを引き起こそうとしている書を手に入れ成仏させようとする主人公は、不思議な力を持ち大胆だが、万能ではなく冷淡でもなく、故に傷つけるものの少ない方法を選ぶ。問題の書は目指す場所にあるのか、手に入るのか。 記録文書の様に淡々と重ねられる文章に可笑し味と奥行きがある。 登場する人物達はそれぞれの立場で当たり前に思っている生き方を変えない。その人にとってはそれが当たり前なのだと実感させる描写で、感情移入はできない人物にも納得してしまう。 ほんの少し登場する舟の少年や知のある義母が印象的。
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関係の無さそうなエピソードが、思いもよらぬ方向に転がって関係してくる構成が面白かったです。多分、表紙絵にもなっている斑娘という仙人めいた少女が主人公と思いますが、いろんな登場人物にスポットライトが当たっているので、あまり主人公と言う印象は無かったです。それと同時にテーマが何だった...
関係の無さそうなエピソードが、思いもよらぬ方向に転がって関係してくる構成が面白かったです。多分、表紙絵にもなっている斑娘という仙人めいた少女が主人公と思いますが、いろんな登場人物にスポットライトが当たっているので、あまり主人公と言う印象は無かったです。それと同時にテーマが何だったのか一つに絞りかね、それぞれのキャラや、その趣味嗜好など、面白いに違いないのですが焦点がバラけた感じに。
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中華ファンタジーと言われて真っ先に多い浮かぶのが仁木英之の「僕僕先生」シリーズですが、本作はこのシリーズと比べてあらゆる点で劣ります。主人公もふくめた登場人物達に魅力が乏しく、ストーリー展開もぶつ切りでリーダビリティは悪い。個人的には比較的相性のいい「日本ファンタジーノベル大賞」...
中華ファンタジーと言われて真っ先に多い浮かぶのが仁木英之の「僕僕先生」シリーズですが、本作はこのシリーズと比べてあらゆる点で劣ります。主人公もふくめた登場人物達に魅力が乏しく、ストーリー展開もぶつ切りでリーダビリティは悪い。個人的には比較的相性のいい「日本ファンタジーノベル大賞」なんですが、この人に限って次はもうないかも。
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