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2019/12/11

第二次大戦に対するドイツ国内での贖罪と自意識の変遷を追う。 敗戦後すぐには贖罪の意識は育たなかった 自分自身や戦死した家族への非難に抵抗が示されるのはどこの国でも同じ。 また、ユダヤ人差別は東西共に完全な押さえ込みに失敗したし、ナチ残党やネオナチの活動も一定の勢力があった。西ドイ...

第二次大戦に対するドイツ国内での贖罪と自意識の変遷を追う。 敗戦後すぐには贖罪の意識は育たなかった 自分自身や戦死した家族への非難に抵抗が示されるのはどこの国でも同じ。 また、ユダヤ人差別は東西共に完全な押さえ込みに失敗したし、ナチ残党やネオナチの活動も一定の勢力があった。西ドイツに元ナチ党員の首相がいたなんて知らなかった。 公職でもナチ関係者が残っていた。特に、ナチ時代に政権に協力した法曹職員に関しては、法曹の独立を盾に逃げおおせた 厳しい非難を行う東ドイツと在米ユダヤ人、イスラエルの存在は、西ドイツの戦争に対する認識をアップデートさせる存在だった。 強い抵抗感を乗り越え、ドイツではよく知られたようにナチス時代のドイツへの強い反省が行われているが、これは決して平坦に成し遂げられたものではないこと、それでもなおこの反省を生み出したのは、過去の犯罪と恥に向き合って激しい議論が行われた結果なのでは無いかと思った。

Posted byブクログ