読書礼讃 の商品レビュー
本を読むということ、読書の周辺に存在する様々な物事。それは時に個人的であり、同時に普遍的でもある。 読書を愛するすべての者へ。ここには希望と絶望があり、それでも本は何事かを語りかけ、我々は何事かを受け取り続けるのだ。その中に、この世の安寧を見付けようとして。 エピグラフがすべて...
本を読むということ、読書の周辺に存在する様々な物事。それは時に個人的であり、同時に普遍的でもある。 読書を愛するすべての者へ。ここには希望と絶望があり、それでも本は何事かを語りかけ、我々は何事かを受け取り続けるのだ。その中に、この世の安寧を見付けようとして。 エピグラフがすべて『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』からの引用で、それが不思議にも内容に一致していることが神業のようだった。
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いやー、Dainさんのスゴ本書籍で紹介されたいたもので、チャレンジしてみようと手を出したはいいですが、中々の重厚さでした。 本書のテーマは、「読書」なのは間違いないですが、著者の博覧強記ぶりが遺憾なく散りばめられており、宗教、ジェンダー、エロティック、政治、経済、自身のユダヤ人...
いやー、Dainさんのスゴ本書籍で紹介されたいたもので、チャレンジしてみようと手を出したはいいですが、中々の重厚さでした。 本書のテーマは、「読書」なのは間違いないですが、著者の博覧強記ぶりが遺憾なく散りばめられており、宗教、ジェンダー、エロティック、政治、経済、自身のユダヤ人としてのバックグラウンドとアルゼンチンの世界大戦後の情勢などなどテーマが多岐にわたり、ついていくのやっとです。 さらに、読書の中でも精読の最右翼なのではないでしょうか、混沌と恍惚としたある種神聖なものとして捉えている。 著者曰く、読者の心構えとして「ポジティブな盲目」状態により、私たちの周囲に溢れる表面的なきらめきと華やかさから逃れなければならない。 文学は、メタファーによって普遍的で倫理的な問いかけを持って帰ってくることに使命を担っている。 「読み方を学ぶ」とは、テクストを十分に理解する方法を身につけることと、理解した内容をほかの人びとと共有することの中間に位置付けられる。所有と認識のはざまのあいまいな領域にこそ、読書という行為がある。 思考には時間と深みが必要で、この二つは読書には欠かせない要素である。世間や社会は「考えるより早く」を標榜としており、表面的な読み方を求めれれるが、もっと深いところに踏み込んで、自分の恐れと疑いと隠された秘密を直視する勇気をもち、自分自身と世界について考えたうえで社会の在り方に疑問を呈し、本当に考えることを学ぼうとするなら、表面的な読み方以外の方法を学ばなければならない。 読書とは、テクストのなかに入り込み、、もてる能力をすべて費やしそこを探求し、物語を作り直す過程でその本を自分のものにすることである。 うーん、読書とは果てしない探求の流浪旅なのですな。ロマンティック。
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この手の本について長々書くと、読書家気取りかよと揶揄されそうだし、野暮なこともわかるので、多くは語らないけれど、書物を愛する人にとっては宝になり、活字を避けている人にとっては何の価値もないだろう。 わたしのお気に入りは『理想の読者』。 理想の読者は自分の蔵書をけっして数えない。...
この手の本について長々書くと、読書家気取りかよと揶揄されそうだし、野暮なこともわかるので、多くは語らないけれど、書物を愛する人にとっては宝になり、活字を避けている人にとっては何の価値もないだろう。 わたしのお気に入りは『理想の読者』。 理想の読者は自分の蔵書をけっして数えない。 理想の読者はけっして焦らない。 お気に入りの理想の読者像を胸に、粛々と活字を貪る日々を続けたい。
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[関連リンク] 同じ本を二度読むことはできない『読書礼讃』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2014/07/post-86c3.html
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タイトル通り、『読書』について、或いは解説にあるように、『読み解く』ことについてのエッセイ・批評集。 多岐にわたる話題もさることながら、時折現れる『愛書家』らしい行動にはつい頷いてしまう。探偵小説に埋もれた『殺人部屋』は内容という意味でも物理的な危険という意味でも正しいかもしれな...
タイトル通り、『読書』について、或いは解説にあるように、『読み解く』ことについてのエッセイ・批評集。 多岐にわたる話題もさることながら、時折現れる『愛書家』らしい行動にはつい頷いてしまう。探偵小説に埋もれた『殺人部屋』は内容という意味でも物理的な危険という意味でも正しいかもしれないw 各エッセイの冒頭には『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』から一節が引用されている。本編を読み終えたあと、再度、この引用文を読み返すと、内容を的確に暗示していることに驚く。というわけで、読むときは、引用文→本編→引用文と繰り返すのがベター。
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