オオカミ の商品レビュー
オオカミがどのように人々から捉えられてきたかということを古典や美術作品等を取り上げながら考察されています。 非常に説明がわかりやすく、勉強になりました。
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数多くの文献からオオカミに関する記述を抜粋し、著者の考察を加えてあります(僕が最近読んで、感動した『狼が語る ネバー・クライ・ウルフ』についても、科学的ではないとばっさり(ノ゚ο゚)ノ)。 でも、『赤ずきん』から『ネバー・クライ・ウルフ』による「オオカミは敵」から「オオカミは守...
数多くの文献からオオカミに関する記述を抜粋し、著者の考察を加えてあります(僕が最近読んで、感動した『狼が語る ネバー・クライ・ウルフ』についても、科学的ではないとばっさり(ノ゚ο゚)ノ)。 でも、『赤ずきん』から『ネバー・クライ・ウルフ』による「オオカミは敵」から「オオカミは守るべき動物」というパラダイムシフトがおきた旨のことも書かれていて、少し救われました(笑)。 オオカミに対する「人の感情の変遷」がわかる本です。
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※このレビューにはネタバレを含みます
オオカミを通して見えてくるのは、ヒトの浅はかさだ。敬い、惧れ、憧れ、オオカミとの関係性が移ろいで行く様を古代から現在に至るまで、多くの実例を挙げて説いていくが、態度を変えているのはヒトのほう。最後の章では、これまでの迫害派と擁護派が対立するが、もうそこにはオオカミを軸にした、単なるヒト同士の争いでしかない。オオカミにしてみたら迷惑な話。つくづくヒトって愚かな所業を繰り広げてきたんだということが良くわかる。 自然、生物学的な話ではなく、これはオオカミとの関係を例にとってヒトの愚かさに気づかせてくれる良書だ。 ロシア関係(備忘) プロコフィエフが作った「ピーターと狼」という楽曲(モスクワ中央児童劇団からの委嘱で作曲)は、1936年の当時、オオカミを捕まえ罰するという筋。それが2002年のリメイク版は、捕まえたオオカミを、自然の一部だと気づき放してやることに。 時代の求めに応じた面白い例。
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