思考訓練の場としての英文解釈(2) の商品レビュー
第2巻は、「紋切り型公式主義に拠る敗北」「多義語の決定」「Set Phraseの変化」という三つの章で構成されています。「まえがき」にあたる「By way of a preface」には、「語句と構文の変貌の姿」の観察というテーマに的を絞り、章ごとに少しずつその視点を変えながらそ...
第2巻は、「紋切り型公式主義に拠る敗北」「多義語の決定」「Set Phraseの変化」という三つの章で構成されています。「まえがき」にあたる「By way of a preface」には、「語句と構文の変貌の姿」の観察というテーマに的を絞り、章ごとに少しずつその視点を変えながらその諸相をあつかっているという趣旨のことが述べられています。 「第一集の英文が概して難しすぎるという声が多いことを考慮して、本書では努めて平易な英文をと心掛け、入試問題もできるだけ多く取り入れるようにしたので、全般に使用英文は平易なものが多い筈である」とされていますが、各章の冒頭に「短文訓練」という比較的やさしい文章をあつかった和訳練習が置かれているものの、あまり第1巻と大きな難易度のちがいは感じられませんでした。むしろ前巻以上にヴォリュームがあってじっくり英文解釈の技術を学ぶことができるようになっています。 大学で英文学を学ぶことを志しておりそのための準備を進めているという受験生であればともかく、普通の受験生がこの本を読み終えるのは時間的にも学力的にもなかなか厳しいのではないでしょうか。わたくし自身もそうなのですが、一般の読者で英文解釈をもう一度学びたいというニーズにこたえてくれる良書なのではないかと思います。
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