決算効率化を実現する 会計監査対応の実務 の商品レビュー
上場会社の監査を殆どやってない監査法人だけど、内容は監査業務の内実もしっかり書かれていて勉強になった。中小監査法人が多くなるのはいいことだと思うけど、海外子会社監査の対応がスムーズにできてほしいし、中小監査法人の得意分野等の情報がまとまっていたらいいなと思う。
Posted by
本書では、会計士監査が入るような会社の監査対応ノウハウがまとめられている。被監査会社の経理担当者が読めば会計士がどういう思考過程で監査報告書を発行しているのかがよくわかるはずだ。一方で会計士試験の受験生や新人会計士が読んでも参考になる。会計士監査の基礎から具体的に監査実務が説明さ...
本書では、会計士監査が入るような会社の監査対応ノウハウがまとめられている。被監査会社の経理担当者が読めば会計士がどういう思考過程で監査報告書を発行しているのかがよくわかるはずだ。一方で会計士試験の受験生や新人会計士が読んでも参考になる。会計士監査の基礎から具体的に監査実務が説明されているからだ。私自身も改めて勉強になった点が多かった。監査法人の人員構成、職務の分担、監査手法などを基準や実務指針を噛み砕いて説明しており、どんな人が読んでもある程度の理解は可能ではないか。最終章で監査人の交代にまで触れていて、若干営業目的の書籍ではないかと疑わせる面はあるが、内容自体はその通りのもので特に異論を挟むことではないかと思う。被監査会社で日頃より会計士監査の対応をしている経理マンや会計試験を受験してみようと思っている人、監査法人に入所したばかりで監査実務の全容が理解できていない会計士、さらには私のような中堅会計士で今一度監査実務を俯瞰したいと思っている人には打ってつけの書籍である。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
監査を受ける側からの視点での本であった。 監査の概要・監査報告書の内容や意義・監査の限界・重要性・内部統制監査の留意点など普段の監査実務で必要な知識も網羅されており復習になった。以下気になった点記載。 ・監査役監査との違い 会計監査は財務諸表を対象。それに対して監査役監査は取締役の職務執行の監査業務の監査であり、業務監査。 ・会計監査があっても粉飾があるのはなぜか。 試査と経営者の判断によるところが多いためである。 財務諸表の作成責任が経営者にある以上、財務諸表には経営者の見積りや判断に依存する。そのため財務諸表の真実性は絶対的相対性ではなく、相対的真実性である。よって財務諸表はすべての粉飾を発見できない。 ・粉飾あっても監査法人にペナルティーがない場合があるのはなぜか 2重責任の原則により監査人の責任は職業的専門家としての正当な注意を払って監査を行った場合、責任を果たしたと認められる。また民法の債務不履行を原告が立証する場合、監査のどの部分に債務不履行があるかを立証するのが難しい。結果粉飾があってもペナルティーがない場合が多い。 ・残高確認で売掛金の残高について 売掛金の残高はズレが生じやすい。 通常売上は出荷基準・仕入は検収基準のため。 ただ出荷基準は将来認められなくなる可能性がある。出荷基準は売り上げの認識時点としてはそぐわないため。 ・J-SOX監査の目的は財務報告の信頼性 アサーションの網羅性とアサーションに対するコントロールの整備。業務に従って忠実にフローチャートを書き出すことではない。例えば与信管理規定が十分でなくとも、貸し倒れ引当金に対するアサーションに対する体制が整備されていれば問題ない。 ・2重責任が都合のいいように使われている。
Posted by
経理マンならこの本の内容は知っておくことかと思います。経験から学んだけどこの本を読めば効率的だったかもしれない。
Posted by
監査法人の気持ちをくみとる、資料作成準備をすることにより、決算早期化、監査報酬の削減につながるという話。 もう少し具体的に書いてあるとよかったなと思いますが、役に経ちました。
Posted by
- 1