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男樹~村田京一〈四代目〉~(5) の商品レビュー

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2015/10/08

本宮ひろ志の「男樹シリーズ」の最新が昨年5月に完結していたのを最近知って、読んでみた。 日本のヤクザを束ねる男の物語を、何故かその息子たちが一回一回底辺から始めるというシリーズの最新章である。 思えば、最初の村田京介(ビッグコミック連載)からおそらく30年近く経ったと思う。村...

本宮ひろ志の「男樹シリーズ」の最新が昨年5月に完結していたのを最近知って、読んでみた。 日本のヤクザを束ねる男の物語を、何故かその息子たちが一回一回底辺から始めるというシリーズの最新章である。 思えば、最初の村田京介(ビッグコミック連載)からおそらく30年近く経ったと思う。村田京太郎の衝撃的な死から、まるで爬虫類を思わすような村田京一、最後の京勝まで、いつものように本宮ひろ志は、何処に着地するかわからないマンガの書き方をする。最後は2016年近未来の破綻した日本経済を立て直すために、時の総理の対抗勢力が保守合同のファシズム政権を作ろうとする動きに対して、総理はマイナス財政から始める野党との連合政権を作り、勝利するという展開で終わる。 去年の完結だが、まるで現代を見越したような展開だった。 本宮のスタッフにかなりインテリが入っていたことがうかがわれた。連載が始まったのが2010年で、東日本大震災の混乱をどう描くのか気になっていたが、遂にはスルーしてしまった。本宮ひろ志が繰り返し描いていた「終末日本」と震災をリンクさせて好い加減なことを描けないと、思ったのだろう。 ヤクザ漫画から離れて日本近未来漫画にしてしまうところが、本宮ひろ志である。しかし、最後少しだけ2025年を出したのは愛嬌としても、2016年までは描いたのだから、あと5年は京勝の世界は描けないだろう。 ここまでやったら、最後まで描いて欲しいと思う。 2015年10月6日読了

Posted byブクログ