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日本人が知らない日本の戦争史 の商品レビュー

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2017/11/29

「この国は、私たちが知っているよりもずっと多くの 戦火をくぐり抜けてきた」 この本の表紙にはこう書かれている。 ふつう日本がかかわった戦争といえば、明治以降の日清日露、そして、大陸の植民地化を進めた満州事変や日華事変、太平洋戦争、と、ほとんど近代に起こった戦争に話題が限定される...

「この国は、私たちが知っているよりもずっと多くの 戦火をくぐり抜けてきた」 この本の表紙にはこう書かれている。 ふつう日本がかかわった戦争といえば、明治以降の日清日露、そして、大陸の植民地化を進めた満州事変や日華事変、太平洋戦争、と、ほとんど近代に起こった戦争に話題が限定される。 ちょっと歴史に明るければ、いわずと知れた元寇があった。では、「刀伊の入寇」はどうか。大陸で急速に強力化した金の女真族が、対馬を襲撃した一大事件だった。 そのお返しとまではいえないが、豊臣秀吉の朝鮮遠征は、まさに元寇のリターンマッチだった。そこまで筆者はいっていないが、2度にわたる遠征は、元寇の裏返しともいえばいいえる。 元、つまりモンゴル帝国と戦ったのは、実は鎌倉幕府だけではなかった。当時北海道にいたアイヌも、あのフビライ皇帝相手に海を渡って善戦した。 このアイヌ対モンゴル帝国の戦闘こそ、本書のタイトルにふさわしい日本戦争史のかくされた部分である。 とりあげられるのが珍しいだけでなく、およそかなうはずもない大帝国相手に、局地的には勝利を収めてた少数民族がいたのだ。 本書はまた、日本と外国が戦いを通じていかに多くのことを学んだかを多角的な視点から解説している。 戦争がいけないのはだれもわかっている。 だが、国がある以上、攻めたりせめられたり、という 戦争の歴史は世界のどこにでもある。 そのことだけでも理解できれば、この本を読んだ意味は 十二分にある。  

Posted byブクログ