春のお辞儀 の商品レビュー
俳人、長嶋有。いまやNHKのテレビにも出演し確固たる地位を築きつつある。何でもない日常の空白を思いもかけない視点で掬い取る。日ごろ見過してしまっている些事に驚くべき興趣があり、ページをめくるたび興奮させられた。読後はまことに清しいヤラレタ感。「拉麺をフォークで食べる正午なり。」「...
俳人、長嶋有。いまやNHKのテレビにも出演し確固たる地位を築きつつある。何でもない日常の空白を思いもかけない視点で掬い取る。日ごろ見過してしまっている些事に驚くべき興趣があり、ページをめくるたび興奮させられた。読後はまことに清しいヤラレタ感。「拉麺をフォークで食べる正午なり。」「フェラーリの馬は案外落ち着いている。」「バス乗り場から見るバス乗り場暮れの秋。」「水筒の麦茶を家で飲んでおり。」「六月や美容師みんな痩せている。」「無人なら覗く詰所や桜餅。」「秋暑し割箸で食うハンバーグ。」「朝ハンバーグ昼ハンバーグ昼花火。」「美人だが面食いでしたちゃんこ鍋。」「昼顔や足裏見せて女寝る。」どれもこれも平板、平熱。口語 の現代仮名遣いが紙面を踊る。俳句というものをグッと身近に感じさせてくれる一冊である。
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この本は句集だ。しかしただの句集ではない。ごく当たり前過ぎてわざわざ表現するのもはばかられるような事柄や、まさか出てきそうにないモチーフのことを詠んでいるのだ。 ユーモラスかつ、どこか人を食ったような連作がたまらなく良く、そして深い。 もしかしたら読書感想文に選んだらいろいろ書け...
この本は句集だ。しかしただの句集ではない。ごく当たり前過ぎてわざわざ表現するのもはばかられるような事柄や、まさか出てきそうにないモチーフのことを詠んでいるのだ。 ユーモラスかつ、どこか人を食ったような連作がたまらなく良く、そして深い。 もしかしたら読書感想文に選んだらいろいろ書けるんじゃないかと思うのだ。
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俳句ってアバンギャルド! 全く予想だにしない季語が日々生まれているのかもしれない。どちらかというと、夏の俳句に多くの実感を感じた。 友だちの結婚パーティーの日に買った。パーティー会場の前の本屋さんで。発行日は2014年4月20日、ちょうど一緒なのだ。
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