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鼻に挟み撃ち 他三編 の商品レビュー

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2024/04/30

著者のいとうせいこうさんの頭の中はどうなっているのだろうかと常に思わせられる作品群だった。ザ・文学な感じの作品ばかりで、これこそが純文学だと思わせられる作品だった。ただ、好き嫌いがはっきりと分かれそうな作品だと思った。『フラッシュ』はあまりにも展開が他の作品とは違いすぎてついてい...

著者のいとうせいこうさんの頭の中はどうなっているのだろうかと常に思わせられる作品群だった。ザ・文学な感じの作品ばかりで、これこそが純文学だと思わせられる作品だった。ただ、好き嫌いがはっきりと分かれそうな作品だと思った。『フラッシュ』はあまりにも展開が他の作品とは違いすぎてついていけなかった。もっとゆっくり読めば、少しはこの作品のエッセンスを感じ取れたのだろうか。 表題作含め、完全には理解できたとは思えなかったが、『想像ラジオ』も読んでみようと思う。また、『鼻に挟み撃ち』の中で出てきたゴーゴリの『鼻』や『外套』という作品が気になったので近々読もうと思う。ゴーゴリの作品を読むきっかけになったので、本書を読めてよかった。

Posted byブクログ

2017/08/27

御茶ノ水で奇妙な演説をするマスク男と、それを隠れて聴く男。彼らにはそうしなければならない理由があった…。いとうせいこうにしか書けない、可笑しくて哀しい、人生4つ分のふしぎ。 作者はときどきTVで見かけるものの、あまり私の印象には残っていない。表題作は、読む人が読めばかなりゲイジ...

御茶ノ水で奇妙な演説をするマスク男と、それを隠れて聴く男。彼らにはそうしなければならない理由があった…。いとうせいこうにしか書けない、可笑しくて哀しい、人生4つ分のふしぎ。 作者はときどきTVで見かけるものの、あまり私の印象には残っていない。表題作は、読む人が読めばかなりゲイジュツ性が高いのだろとは思うけれど、どうも私の好みとは合わなかった。 (C)

Posted byブクログ

2015/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作の『鼻に挟み撃ち 』 カーキ色のコットンパンツ、白いボタンダウンシャツ、黒いカーディガン、紫色の薄いダウン、を着た「わたし」はその服装からしてせいこうさんそのものだな、と思っていたけれど、途中のパニック障害だった告白によってそれは確信をもって示されていく。私小説とも言える現実とリンクした世界、またはエッセイ的なリアリティの中、ゴーゴリの『鼻』『外套』や後藤明生の『挟み撃ち』が絡まりあって、いつの間にか虚構の新御茶ノ水駅前に立たされてる。 どこまでが本当? どこからが虚構? 戦争法案が可決し、憲法も改正されるような空気、遠くでテロが起こり、報復と称した大量殺戮が許容され、でもまだ本当には日本で戦争は起こらないだろう、と何となく目を逸らして目の前の平和だけを見ようとする雰囲気。そっか、私たちの鼻も失われてるのかもしれない。国会で起きてること、世界で起きてることはテレビや新聞の向こうにあるお話。どこまでが虚構か分からない。

Posted byブクログ

2015/01/03

前衛的過ぎてわたしには楽しみきれませんでした。せいこうさんの頭の中どうなっているのだろう…。表題作に触発されて、ゴーゴリの『外套』は読んでみたくなりました。こういう連鎖はとてもありがたい。

Posted byブクログ

2014/07/11

「今井さん」「私が描いた人は」「鼻に挟み撃ち」「フラッシュ」 10代の頃からいとうせいこうさんが好きなのに、本は初めて。 冴えている人の小説にあたしが追いつけていない。 理解したいのにそれが出来なくて悲しい。 幸せとは言えないようで全く不幸ではなさそうで。 壊れてるのに気...

「今井さん」「私が描いた人は」「鼻に挟み撃ち」「フラッシュ」 10代の頃からいとうせいこうさんが好きなのに、本は初めて。 冴えている人の小説にあたしが追いつけていない。 理解したいのにそれが出来なくて悲しい。 幸せとは言えないようで全く不幸ではなさそうで。 壊れてるのに気持ち悪くなくて。 「今井さん」は“ぞわっ”てなった。 怖かった。

Posted byブクログ