ポーカー・フェース の商品レビュー
沢木耕太郎作品を読むのは10冊目。 エッセイを読むのは初めて。(本作は三冊目のエッセイ集) 話の展開がナックルボールのような不思議な動き方をするので面白い。初めのお題にうまく戻ったり、全然違ったお話になったり。 原稿を書くときには、随分うんうん唸りながら書くのだろうなあ。(原...
沢木耕太郎作品を読むのは10冊目。 エッセイを読むのは初めて。(本作は三冊目のエッセイ集) 話の展開がナックルボールのような不思議な動き方をするので面白い。初めのお題にうまく戻ったり、全然違ったお話になったり。 原稿を書くときには、随分うんうん唸りながら書くのだろうなあ。(原稿を間に合わせられない話が何度か登場する。) 「凍」の主人公、クライマーの山野井泰史さんが熊に襲われた際の話のインパクトが強烈だった。 本人曰く、自分は熊に抱きつく貴重な経験が出来てラッキーだったが、熊の方は駆除対象となって不運、無事逃げおおせただろうかと逆に心配している。超ポジティブシンキング。運って何なんだろうと、沢木さんは考えさせられたのでした。
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沢木さんの短編エッセイ集。過度に気取らず、さりとて平凡でなく。旅先や仕事、家の近くの公園で会った人、著名な人との関わりなど、人生における様々な小さな出来事から、話を膨らませるのは素晴らしい才能。旅先で読むにはちょうど良い内容と分量。
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チェーンスモーキングを読んだのは何年前だったろう? 本書もほぼ変わらない筆致で、こんなスマートな文章あるんだ、という軽いショックを受けた感覚を思い出した…
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改めて読み返してみると、沢木耕太郎の感心が「嘘」に向いているのではないかとも読める。「何か」以外、本当の存在以外のものに自分自身や自分が作り上げるものを似せようとする試み。それは沢木がノンフィクションという原理的に「嘘」を許されない世界に生きており、その流儀をきっちり守り通してき...
改めて読み返してみると、沢木耕太郎の感心が「嘘」に向いているのではないかとも読める。「何か」以外、本当の存在以外のものに自分自身や自分が作り上げるものを似せようとする試み。それは沢木がノンフィクションという原理的に「嘘」を許されない世界に生きており、その流儀をきっちり守り通してきたプロフェッショナルだからこそかもしれない(邪推なのはわかっている)。今回の読書でも沢木ならではの「嘘」のような体験を知ることができ、そこから確かにさまざまな文章が引き出されるマジックを堪能できた。この人はプロだ、と安心感をもらう
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代田の古本屋で発見。 沢木耕太郎は深夜特急しか読んだことはなく、エッセイは初めて。 男性の作家の文章はやっぱり好きだけど、エッセイを書くとなると人生で経験してきた話が元になるからか、やっぱり年齢を重ねた人の経験談、良い意味でおじさん臭がするものが多いんだよな。話題とか。 若い男...
代田の古本屋で発見。 沢木耕太郎は深夜特急しか読んだことはなく、エッセイは初めて。 男性の作家の文章はやっぱり好きだけど、エッセイを書くとなると人生で経験してきた話が元になるからか、やっぱり年齢を重ねた人の経験談、良い意味でおじさん臭がするものが多いんだよな。話題とか。 若い男性の作家でエッセイが面白い人って誰かいるのか、探してみたい。 一番印象的だったのは、ダントツで “「いままでの人生で、大事なことというのは男と女のどちらに教えてもらいましたか」" これは面白かった。
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山野井泰史のことが書かれていると知って、すかさず読んだ。私の大好きな高峰秀子のことも書いてあったのはめっけ物だった。高峰のエッセイは半分ほど読んでいるが、30年ほど前なので記憶が薄れている。清々(せいせい)ときっぱりした小気味いい文章を絶賛する人は多い。 https://sess...
山野井泰史のことが書かれていると知って、すかさず読んだ。私の大好きな高峰秀子のことも書いてあったのはめっけ物だった。高峰のエッセイは半分ほど読んでいるが、30年ほど前なので記憶が薄れている。清々(せいせい)ときっぱりした小気味いい文章を絶賛する人は多い。 https://sessendo.blogspot.com/2021/03/blog-post_31.html
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バーボンストリート、チェーンスモーキングに続く、同種のエッセイ集。流れるような話の運び方は本当にさすがだと思う。高峰秀子とのエピソードなどは、人間的な魅力のなすものなのだろう。人間力の極みだ。前2作よりだいぶ最近のことになるので、それはそれで楽しめた。
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エッセイの達人の本。「初体験」について書かれている、と裏書きにあったので、わくわくして読んだら、思ってたのと違った。情けない。それでも面白い。
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沢木耕太郎による、『バーボン・ストリート』(1984年、第1回講談社エッセイ賞受賞作)、『チェーン・スモーキング』(1990年)に次ぐ、2011年発表のエッセイ集。2014年文庫化。 複数のエピソードの間を魔法の絨毯で飛んでいるような、さり気なくも絶妙かつ緻密な構成は、相変わらず...
沢木耕太郎による、『バーボン・ストリート』(1984年、第1回講談社エッセイ賞受賞作)、『チェーン・スモーキング』(1990年)に次ぐ、2011年発表のエッセイ集。2014年文庫化。 複数のエピソードの間を魔法の絨毯で飛んでいるような、さり気なくも絶妙かつ緻密な構成は、相変わらずである。 沢木氏はあとがきで、「『チェーン・スモーキング』を書き終えたとき、このようなスタイルのエッセイ集はもう出せないだろうと思った。「話のタネ」の入っている箱を逆さにしてポンポンとはたいてしまったような感じがしていたからだ。しかし、気がつくと、空っぽになってしまったはずのその箱に、友人や知人に向かってつい酒場で話したくなるような「話のタネ」が、いつの間にかずいぶん溜まっていた。」と書いているが、沢木氏の好奇心、感性であれば、いずれまたその箱は一杯になり、次作も出してくれることだろうと期待してしまう。 (2014年5月了)
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表紙で思わず買ってしまった一冊。失敗したなあ、私はエッセイが好きではない。内容もあまり来るものではなかった。いつか昔の作品を読んでみたいが、いつになるかなあ。
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