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中国13億人を相手に商売する方法 の商品レビュー

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2020/11/17
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2020年、再読。 以前より中国に関しては造形が深くなっている自負があるが、納得のいく事が非常に簡潔にまとめられている。発売が2014年と少し前だが、市場の性質や中国人スタッフや日本からの駐在員の”さもありなん”、”こうだから上手くいかない”に関しても、根っこの部分を抑えているので今でも十分に通用する知恵だと思う。中国でビジネスするのであれば行く前に読み、行ってから読み、しばらくしてから読んでみてもそれぞれ役に立つのではないかと思われる。 ニセモノ業者の考え方や、ニセモノ業者を利用して他のニセモノ業者と戦わせるアングリーバードの戦法等、興味深い。そういえばコクヨは自社のパクリノートを出していた企業を買収していたと思う。 P.5 中国ビジネスが、なぜこんなにもカオスなのかは、ビジネスのアウトプット(結果)を左右する3つのパラメーターに分けて考えてみるとよくわかります。 カオス度合(不確実性)=「変数の数」x「変数の振れ幅」x「変数が変わるスピード」 中国ビジネスの不確実性の高さは、日本と比べて圧倒的に、変数の数が多く、変数の振れ幅も大きく、変数が変わるスピードも早いことに起因します。 P.63 「モノ自体に価値を見いだす日本人」に対して、「モノ自体の価値よりも、ヒトとつなげて価値を見出す中国人」との違いです。 中国人は、モノよりもヒトやヒトとの付き合いに価値があると考えます。(中略)ヒトが主で、モノはあくまでも従。ヒトとの関係を深めるための触媒としてモノを考えているともいえるでしょう。ヒトに見せるためにモノを買う。ヒトと一緒に楽しむためにモノを買う。何を買うかよりも、誰と一緒に買ったかが中国人にとっては重要です。 P.133 中国では特に、「Takeより先にGiveをする」「相手の会社の利益だけでなく、相手個人の利益も考えてあげる」という態度でビジネスを進めることが大切です。 P.140(ローカル企業との付き合い方について) 事業パートナーであるローカル企業を本気にさせ、事業が成功しても着られないようにするための「ロックイン」を日系企業自ら積極的にしかける必要があります(中略) 最初に必要なのが「惚れさせるロックイン」です。なぜならローカル企業側は、最初は本気ではないからです。(中略)日本企業がまず最初にやるべきことは、相手を本気にさせることです。「おっ、こいつと組むのはメリットがありそうだな」「こいつとは本気で付き合ってみよう」と思わせることです。そう思わせるために必要なことはたった1つ。「結果」を出すことです。(中略)しかも3ヶ月のうちに。(中略)最初の結果は「3ヶ月以内に」「日本企業ひとりのがんばり」で「嘘でも」出すべきなのです。(中略)このステージに入ったら(中略)、もうひとつのロックインのしかけを起動する必要があります。事業がうまくいった場合にローカル企業を「逃がさないため」のロックインです。(中略)コラボ事業運営上不可欠なものをこちらの手に握ることで行います。(中略)「金」はある意味どこからでも調達できるのでロックインには適していませんが、「物」と「人」はロックインとして使えます。 P.179 ニセモノ商品を販売する中国人は、 ①すでに知名度のあるニセモノは売りやすくかんたんに儲かる ②ニセモノを売っていてもブランド・メーカーからクレームがくるとは限らない ③もし訴えられたとしても、政府関係者とのコネを降る利用して時間を稼ぎ、実際に処分が下される頃までには(利益をうまく別の場所に移動させた後)会社を倒産させてしまえばいい と低リスク高リターンな商売だと考えているからです。(中略) 法的な措置は大切だが、限界もある

Posted byブクログ