中国の愚民主義 の商品レビュー
辛亥革命以降、一〇〇年にわたる中国政治の内実を「愚民主義」の視点で検証する。 民主化の課題が相変わらず放置されつづける中国。中国共産党はこれまでも民主化を口にしながら、人民を政治から排除した国家建設を推し進めてきた。その根底には伝統的な支配形態として、人民大衆を愚民と決めつけ、彼...
辛亥革命以降、一〇〇年にわたる中国政治の内実を「愚民主義」の視点で検証する。 民主化の課題が相変わらず放置されつづける中国。中国共産党はこれまでも民主化を口にしながら、人民を政治から排除した国家建設を推し進めてきた。その根底には伝統的な支配形態として、人民大衆を愚民と決めつけ、彼らに政治的権利を与えない「愚民思想」がある。辛亥革命以降、一〇〇年にわたる中国政治の内実を「愚民主義」の視点で検証する。
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孫文の、ちょっとダメなところみてみたい。 大陸、台湾、華僑の居住区のすべてで一定の尊敬を集め、重要な通りや公園や門にその字がつけられる(中山)孫文。中国の政治近代化の祖と名高い、ドラマに小説に人気者の孫文。 しかし、西洋の立憲主義と議会制民主主義の萌芽を摘み取ったのは、悪名高い袁世凱と孫文だ!と指摘する本書。 議会制はまだ時期尚早で、いまは軍に依拠した政治で国内が安定したら順次、党、人民に主権を与える。それまでに、無知で愚かな民衆を教育する必要がある、というのが孫文の主張であり、それには中国の賢人による民衆政治というのが理想という哲学っぽいものが影響しており・・・・・いまでも共産党は、人民の無知を理由に主権を党においたままである、とのことです。 孫文の愚民主義について孫文が発表した論説などから概要してるようでしたが、直接、孫文が民衆を愚かと主張している引用文は本書にはでてこなかったので、ほんとかよ、あの「博愛」孫文が……と半信半疑で読み進めました。 改革開放後の民主化運動で逮捕された方、失脚した方の主張は、思わずメモをとった。
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明快でリズムよくスラスラ読める。 逆に読み飛ばしてしまう。 ちゃんとじっくり読むべき内容。 モデル化や枠組みを批判するにせよ受け入れるにせよきちんと読むべきと思う。
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7つのテーマについては論じていけなかった。 普遍的な価値、新聞の自由、公民社会、公民の権利、共産党の歴史的誤り、特権ブルジョア階級、司法の独立。 西欧においては、人権としての自由は純粋な人権問題として民を国家のもとに支配していた。それは資本主義の発展と深い関係がある。資本主義を...
7つのテーマについては論じていけなかった。 普遍的な価値、新聞の自由、公民社会、公民の権利、共産党の歴史的誤り、特権ブルジョア階級、司法の独立。 西欧においては、人権としての自由は純粋な人権問題として民を国家のもとに支配していた。それは資本主義の発展と深い関係がある。資本主義を支える自由競争の原点は封建主義の身分支配から解放された自由な個人の存在である。 毛沢東は百家争鳴を出して、自由な意見を言わせ、愚かにも出てきたものを一網打尽にした。
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