山田太一 の商品レビュー
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このKAWADE夢・ムックシリーズはその人のファンにとってはたまらない一冊。 向田邦子然り、木皿泉然り、そしてこの山田太一。 いろんな視点からその人の魅力をたっぷり紹介してくれるありがたい本だ。 生前の向田邦子との会話、銀座百点に連載されていた随筆が素晴らしいのでおもわず電話をかけてその感想を言ったくだり、そんな関係性があったなんて以外だった。 中野翠が名作”ながらえば”に寄せたエッセイで、 笠智衆が妻の病室で、背中を向けて”わしゃ、おまえとおりたいんじゃ”と言うシーンを書いていてまた、涙が溢れてくるという箇所を読んだわたしも、またそのシーン思い出して泣けてくるよ。 これからも、山田太一作品は見続けると思う。 いつまでも現役でいてほしい。
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勝者によって作られるのが歴史であり、敗者によって作られるのが物語。 特に山田太一は敗者がキーワードになる。皆敗者になりたくないし、勝者になるための答え探しで忙しいし、単なる日常を描いた陰気なホームドラマなんて流行らない。昔はタブーだったものが、今は現実の情報が溢れて驚きがなくなっ...
勝者によって作られるのが歴史であり、敗者によって作られるのが物語。 特に山田太一は敗者がキーワードになる。皆敗者になりたくないし、勝者になるための答え探しで忙しいし、単なる日常を描いた陰気なホームドラマなんて流行らない。昔はタブーだったものが、今は現実の情報が溢れて驚きがなくなってるのかもしれない。家族もの小説はまったく売れないらしい。家族に対する興味が薄れているのだろうし、そもそも家族がいない人が多くなってるし。で、流行るのは気晴らしとかファンタジーとかノスタルジーとか恋愛とか。こういう本が出版されてしまう事自体、山田太一作品もノスタルジー化しているような気もする。 日本には夢や希望がないと言うが、もう物理的に追いかけるものがないのでは?無いもの追いかけたってあるわけない。だからあとは下るだけ。よくて現状時。その現実を直視できるか否か。で、ワザワザ物語にしなくても、敗者の情報はネット上に溢れてる。家族や日常を描いた創作というのは今後益々やりにくくなるのかもしれない。
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・脚本家の岡田惠和さん、木皿泉さん、宮藤官九郎さんら山田太一さんリスペクト組。 ・岡田惠和さんはシナリオライター修業時代、山田太一のドラマを見て、シナリオ本読んで全体書き写し修業したりしてたとか。 ・岡田さんおすすめは「想い出作り。」。「北の国から」の裏番組で、あまり話題にならないけれど、岡田さん的にはバイブル。山田作品というより全ドラマの第1位とのこと。これは見なければ。 ・木皿泉さんも山田さんの大ファンとわかった。二人の対談記事あり。「すいか」などの木皿作品のアフォリズムは、山田太一作品から学んだという。 ・木皿さんは、向田邦子や山田太一など昔のよいドラマを見ることをすすめている。
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