天魔ゆく空(下) の商品レビュー
物語は劇的に展開してゆく。 何ごとも一人ではなく周囲があっての成果。 上巻からの変化に驚きが隠せなかった。 ※評価はすべて3にしています
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室町時代が舞台だからなのか、戦の描写がほとんどないので、時代小説らしいエンターテイメント性に乏しく、全体的抑揚がないストーリーは多少の読み辛さがあった。 でもその独特な暗さが、室町時代らしさなのかもしれない。
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姉を還俗させ、赤松政則と政略結婚をさせて、明応の政変により、将軍を足利義材(義稙)から足利義遐(義澄)へとすげ替え、細川政元は、全てを掌握し、ついには半将軍とも呼ばれる。 比叡山を焼き討ちしたり、足利将軍家を骨抜きにしたりと、まさに織田信長の元祖とも言える生涯で、英雄の跡を継ぐも...
姉を還俗させ、赤松政則と政略結婚をさせて、明応の政変により、将軍を足利義材(義稙)から足利義遐(義澄)へとすげ替え、細川政元は、全てを掌握し、ついには半将軍とも呼ばれる。 比叡山を焼き討ちしたり、足利将軍家を骨抜きにしたりと、まさに織田信長の元祖とも言える生涯で、英雄の跡を継ぐものがなく、政元亡き後、混乱の世となっていく。
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本作には“準主人公”というような劇中人物が在る。安喜から洞勝(とうしょう)と名を換え、安喜に一旦戻ってから洞松(とうしょう)と名を換えた女性、細川政元の腹違いの姉である。細川勝元の側室を母に持つ女性だが、母が早くに逝去したこともあって尼寺に入り、やがて寺を出て結婚するが、数年後に...
本作には“準主人公”というような劇中人物が在る。安喜から洞勝(とうしょう)と名を換え、安喜に一旦戻ってから洞松(とうしょう)と名を換えた女性、細川政元の腹違いの姉である。細川勝元の側室を母に持つ女性だが、母が早くに逝去したこともあって尼寺に入り、やがて寺を出て結婚するが、数年後に未亡人となってしまう。彼女と細川政元とは、互いに「唯一の心許せる身内」というようなことになって、両者の間に微妙な関係が生じる。その辺りも“見せ所”のようになっている。
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真保裕一と歴史小説ってそぐわないなあと思い、余り人気のない室町時代ということもあり、これまで避けてきたのだが、読んでみると良い意味で裏切られ、冒頭から引き込まれた。 どこまで史実でどこまで架空の話なのかわからなくくらいに練られたストーリー作りと、筆者なられでは細かい論理性への配慮...
真保裕一と歴史小説ってそぐわないなあと思い、余り人気のない室町時代ということもあり、これまで避けてきたのだが、読んでみると良い意味で裏切られ、冒頭から引き込まれた。 どこまで史実でどこまで架空の話なのかわからなくくらいに練られたストーリー作りと、筆者なられでは細かい論理性への配慮に感嘆した。この人女性を描くのは下手だなあとずっと感じていたが、本書の主人公である洞勝の人物造型もなかなかよかった。
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細川政元と日野富子の抗争を見事描ききった作品。面白いし、信長よりも先に天下を狙えた男の人生である。信長も凄いけれど、政元も凄かった。圧巻である。
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