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「ストーカー」は何を考えているか の商品レビュー

3.6

24件のお客様レビュー

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2022/06/01

今日は病院で検査だったのでこの本を持っていく。 2時間ぐらいで終わると思ったのに、全部で6時間もかかってしまった。 当然長い待ち時間、読み終えて院内の書店に行く。 スマホもあるけど待合でギリギリまで読めないので、こういうときは紙の本がいい。 院内の書店には、「医者に殺...

今日は病院で検査だったのでこの本を持っていく。 2時間ぐらいで終わると思ったのに、全部で6時間もかかってしまった。 当然長い待ち時間、読み終えて院内の書店に行く。 スマホもあるけど待合でギリギリまで読めないので、こういうときは紙の本がいい。 院内の書店には、「医者に殺されない〜」とか「ふくらはぎを」とか、医者要らず系ベストセラーが並ぶ。いいのかな。結局、読んだ本か、どうでもいい本ばかりで、すごすごと戻って、この本を何度も読む。 というわけで、長い前振りでしたが。 著者自身もストーカー問題の当事者でもあったことがあり、今はカウンセリングをストーカー被害の加害者、被害者両方に行うという珍しいスタイルをとっているという。 ストーカーの被害者と加害者は火が着いた家の中で、気付かずに二人で争っているようなものだと。誰かが「火事だ!」と叫んで飛び込まなければ出てこない。著者は加害者にもあって、一緒に出かけたりして気持ちを落ち着かせたりもすれば、花を持たせたり、ちょっと強硬かな、という言葉を使うこともある。中には残念ながら被害者が殺害されるにいたったケースもある。 だからこそ、そこに至らないためにどうするか。 ストーカーのスイッチの入り具合は人それぞれではあるが、そのスイッチが見えづらいところが怖い。僕だって自分のスイッチがわかっているわけではない。 ストーカー被害者は女が多い、というイメージがあるが、相談されるのは決してそんなわけでもなくて、男が追いかけられることも多々ある(「座敷女」を思い出しちゃった!)。 それから、ストーカーになる人って、公務員や教員や会社員や、いろいろいるけれど、農家など自然相手の人は不思議といないって(まあ、農業人口の絶対数の問題もあるだろうが)。 いやねえ、人間関係って。 警察はストーカー対策もあって人数を増やすらしい。だが警察に至る前にいろいろなプロセスがあって、それぞれの段階での対処方法があるのだ。時に警察も必要だが、警官が増えたところでストーカーのスイッチが切れるわけでもない。 ストーカーのことはまだ僕には自分事としての実感はないが、アルコール依存も類似だといわれると、なんだかわかる。 ところで療養中は禁酒である。マジか。 よい本でしたが、自分の状況を書きすぎました。スンマセン。

Posted byブクログ

2014/06/24

中々エグイ内容だった。一番興味深いのは「ストーカー規正法」は憲法違反(幸福権の追求や表現の自由といった自由権の侵害)の可能性があるという点。最高裁では棄却されているのだが、すぐに処罰できるのではなく、まだ犯罪が行われていないのに警告するという行政色が強くなっている。本来裁判所が行...

中々エグイ内容だった。一番興味深いのは「ストーカー規正法」は憲法違反(幸福権の追求や表現の自由といった自由権の侵害)の可能性があるという点。最高裁では棄却されているのだが、すぐに処罰できるのではなく、まだ犯罪が行われていないのに警告するという行政色が強くなっている。本来裁判所が行う仕事を警察が行うという限界がある。よって警察署によっても対応はマチマチになるし、警察も大変だなという事がわかり、安易に警察を責めるのもどうかな?って気はしてきた。 著者自身がストーカーの加害者でもあり被害者でもあり、これまで500件の相談に対応しており、その内容も多岐にわたる。よくここまで無事でこれたなと感心する(殆どの人はその辺の普通の人だったり、それなりの地位にある人がプライドを傷つけられてというパターンらしい)のだが、有名な逗子事件も担当しており被害者が殺されてしまったという失敗もあり、自分のやり方を正当化するのではなく、失敗から学んだ事も赤裸々に語られており、説得力がある。 いろんな事例を見ていると、加害者と被害者は紙一重というか、双方に言い分はあり双方に被害者意識があり、刑事事件に発展する前段階においては、先に法的に訴えたほうが被害者で訴えられたほうが加害者なのかな?って気はする。双方が正当性を主張し、相手の行為を不当だと思ってるわけだし。だから、頭に来た相手に復讐したいなら、何事も合法的にやればよいのであり、初めから法的に復讐すればスッキリするのにと思うのだが、第3者が介入してくると自分の恥も晒す事になるので、中々踏み切れないのかなと。 ストーカーの半分は女性、警察への相談件数は年間2万だが(警察沙汰にならないのは10~20倍ぐらいはあるだろう)、警告に至るのは1割。といった数字情報も興味深い。この世に出会いがある限り、殺人はなくならないし、ストーカー行為もなくならないだろう。法律の問題と心の問題があるが、制度的に両面共現実に追いついておらず、サポートできていない問題があるが、お友達や新恋人への相談は厳禁であり(事態が悪化する可能性大)、専門家への相談をした方がよいのは確かだろう。労働紛争では労働審判といった公的な紛争解決機能があるが、恋愛紛争に関しても同じような警察ではなく公的機関による紛争解決機能があってもよいのかもしれない。今後、制度面で充実する事に期待したい。

Posted byブクログ

2014/06/03

五〇〇人以上のストーカーのひとたちと接してきた著者が、ストーカーの心理について書いた本。あんまりほかにない本なような気がする。 この本を読むとストーカーって心に余裕がないねんなぁと思うけど、ストーカーとそうでないひとはあくまで地続きの存在で、そういう感覚は忘れないでおきたい。

Posted byブクログ

2014/05/14

加害者は抵抗するために様々な鎧を身に着ける。鎧とは一言でいえば、プライド。学歴とか職業とか。 プライドが高く傷つきやすく、自分を抑圧してきた人は他人のことも批判の目で見る。

Posted byブクログ