僕の光輝く世界 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
脳というブラックボックスにより視覚が実際に認知されているということから、実際に見ているものが本当のものなのかどうか分からない、脳によって補正されたCGの様なものだということから、ある症状に陥った主人公のその後の生活を描く短編集。その症状は作者が作り出したものかと思ったが、実際にある症状。ただし、そのネタは一発芸的なものであり、連作にするのは辛かった。見たことも聞いたこともない物語を創造できるとはとておも思えないし、それにミステリーを持ってきたのはネタとしてはあると思うが、少々、苦しい。でも、元ネタの昭和伝記ミステリーの様な話のネタあかしはとてもありそうで、それはそれで面白かった。
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人間が色彩を識別できる範囲は実際に見えてる範囲(視野)よりも狭い。しかし、我々が見る世界はフルカラーである。それは何故なのか? 脳が常に情報を集め、不足分を補正することで、視野全体フルカラーで見えてるよう認知するのである。 脳は、常に情報を集め、微修正を繰り返すことで違和感の無い...
人間が色彩を識別できる範囲は実際に見えてる範囲(視野)よりも狭い。しかし、我々が見る世界はフルカラーである。それは何故なのか? 脳が常に情報を集め、不足分を補正することで、視野全体フルカラーで見えてるよう認知するのである。 脳は、常に情報を集め、微修正を繰り返すことで違和感の無い世界を頭の中で作り上げている。 知覚していることと認識することは異なる。つまり、ある意味で、我々は常に自分の脳に騙されているのである。 そんなことを堅い文章で説明されても、ふーんという程度の感想しか抱かないが、そこをアントン症候群という障害を持つ主人公の目線で見ることで、自分が認識している世界の不安定さや脳の不思議さを痛感させられます。 自分が見ているこの世界は、本当に自分が知覚している姿そのものなのだろうか? 人は自分の五感を信じて疑わないのが常であるが、本当に自分の五感をどこまでも信じて良いものなのだろうか? 疑い出したら、何もかもが不確かになって行く感覚が堪らないですねw 各章が ・先の話の抜粋(この段階では何の話かわからず、気になる) ・その章に関わる現象の学術的な説明・豆知識 ・物語の本筋 という構成になっているのもグングン興味を惹かれて行って面白いです。
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コウキの能力に興味津々で サクサク読んでしまった 推理もおもしろかったし コウキとユウの 淡い恋愛っぽい感じも可愛かった MM9とは全然違う作風 同じ作家さんだとはきづかなかったよ^_^
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冒頭に高校一年生の主人公が障害を受け、不思議な体験をするところからテンポよく物語が進みます。主人公とガールフレンドのコンビが探偵役を務める青春ミステリーで、どこか懐かしい感じがします。主人公に身体の障害を設定することで、叙述トリックが無理なくよく効く構成になっています。後半の横溝...
冒頭に高校一年生の主人公が障害を受け、不思議な体験をするところからテンポよく物語が進みます。主人公とガールフレンドのコンビが探偵役を務める青春ミステリーで、どこか懐かしい感じがします。主人公に身体の障害を設定することで、叙述トリックが無理なくよく効く構成になっています。後半の横溝正史風の小説の謎と現実に起きた事件の謎が絡み合うところはうまく考えているなぁと感心しましたが、各々の結末は期待するほど捻りが効かず、少し残念でした。作者らしいミステリーで、続編を期待しています。
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ある出来事がきっかけでアントン症候群になってしまった青年・光輝が主人公のミステリー。 失明して目が見えない状態でも、脳が視覚以外の感覚情報から脳内イメージを作り上げ、本人は失明したことに気付かないアントン症候群。初めて知った。人間の脳の不思議さ、凄さがわかる。 色々と大変なこと・...
ある出来事がきっかけでアントン症候群になってしまった青年・光輝が主人公のミステリー。 失明して目が見えない状態でも、脳が視覚以外の感覚情報から脳内イメージを作り上げ、本人は失明したことに気付かないアントン症候群。初めて知った。人間の脳の不思議さ、凄さがわかる。 色々と大変なこと・悩み・不安は尽きない状況でも、光輝の前向きな姿に重くならずに読めた。 彼の症状ならではのミステリーで、光輝と彼女・夕のこれからをもっと読みたいと思いました。
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アントン症候群という実在の病気に見舞われた少年の成長物語&ラブロマンス&ミステリと、てんこ盛りのお得な一冊。MM9も終わっちゃったことだし、新たなシリーズ作品としてお願いしたいです。
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