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もういちど生まれる の商品レビュー

3.9

350件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/06/02

各章で別々の大学生や専門学生の視点から描かれる短編集。各登場人物が絡み合って、自分は何者なのか、何者かになれるのかと葛藤する心理描写が上手。他人から見えるイメージと自己認識とのギャップも絶妙。

Posted byブクログ

2024/05/19

短編集の登場人物が繋がっているからこそ、誰の視点から見るかで見え方が全然違っておもしろかった! 子供でも大人でもない20歳前後ならではの感情が、少し懐かしく感じてしまったけど、すぐ人と比べたり、見栄をはってしまったり、そういうところは年齢関係なく悩んでしまうのかもしれないな、と...

短編集の登場人物が繋がっているからこそ、誰の視点から見るかで見え方が全然違っておもしろかった! 子供でも大人でもない20歳前後ならではの感情が、少し懐かしく感じてしまったけど、すぐ人と比べたり、見栄をはってしまったり、そういうところは年齢関係なく悩んでしまうのかもしれないな、と思った。

Posted byブクログ

2024/04/10

各話読んでても話が離れ過ぎていないというか、あ!この人さっきの話で出てきた人だ!ってなって、それが読んでてすごく楽しかった。 私と似てる主人公もいれば、私と全く違う振る舞い方をする主人公もいたけど、そういう主人公たちの抱えてる痛みとか不安が、なぜだかすっと自分の中に落ちてきた。 ...

各話読んでても話が離れ過ぎていないというか、あ!この人さっきの話で出てきた人だ!ってなって、それが読んでてすごく楽しかった。 私と似てる主人公もいれば、私と全く違う振る舞い方をする主人公もいたけど、そういう主人公たちの抱えてる痛みとか不安が、なぜだかすっと自分の中に落ちてきた。 どのお話も好きだったけど、特に表題作が心に刺さった。 ''別に椿みたいになりたいわけじゃない。ほんとうは、きっと、椿と同じ、1になりたいわけじゃない。私はずっと、ほんの少しでも、今の私から変わりたいだけだった。'' この言葉見て、私のモヤモヤを形にしてくれてる!って嬉しくなった。誰かになりたいわけじゃないけど今の自分も好きじゃない、そんな私に方向性を見出させてくれた言葉。半歩でもいいからゆっくりゆっくり変わっていきたい。

Posted byブクログ

2024/03/29

よかった 何者かになりたいって思いと大抵なれないっていう現実に薄々気づきながら生きていくの既視感あった 「もういちど生まれる」がよかった 誕生日のくだり共感できた 解説がいい 自らの黒い感情に苦しんだ彼らには必ずある光が待っている。自分で自分の光を見つけ出す。小さくても頼りな...

よかった 何者かになりたいって思いと大抵なれないっていう現実に薄々気づきながら生きていくの既視感あった 「もういちど生まれる」がよかった 誕生日のくだり共感できた 解説がいい 自らの黒い感情に苦しんだ彼らには必ずある光が待っている。自分で自分の光を見つけ出す。小さくても頼りなくても間違いなく光である

Posted byブクログ

2024/03/25

モラトリアムか 「海を分母に、空を分子にしたら、1を超えるのだろうか。泣きたいのを我慢しているような空を電車の窓から見上げると、イヤフォンが少し動いて、耳の中から音楽がこぼれ落ちそうになった。」 この冒頭にわたしは震えた

Posted byブクログ

2024/03/21

物語に現れる沢山の人生が一面的ではなく様々な角度から描かれていて、その一人一人をより奥深く感じられる作品だった。何者かになりたい想いと、何者にもなれない諦めが混在する若者たちの毎日が自分とぴったりハマって共感の連続だった。

Posted byブクログ

2024/03/13

明らかに自分の大学で、ああこれはここだとかこういうひといるよなとかやたら描写がリアルに見えたし、だからこそ「無責任を背負って、自由を装っている。」って言葉が刺さって抜けなくなった。 意図的にひらがなで書かれてるんだろうなって所も苦しかった。 でも、ただ日常と絶望を突きつけるだけじ...

明らかに自分の大学で、ああこれはここだとかこういうひといるよなとかやたら描写がリアルに見えたし、だからこそ「無責任を背負って、自由を装っている。」って言葉が刺さって抜けなくなった。 意図的にひらがなで書かれてるんだろうなって所も苦しかった。 でも、ただ日常と絶望を突きつけるだけじゃなくて私たちの、「私たちの」大切な日々を描いてくれてた。

Posted byブクログ

2024/03/06

20才の若者を描いた作品。裏表紙の「若者だけが享受できる世界...」と記載通りの内容であった。特に最後のハル(遥)目線の物語において、周りは努力をしていない、自分は努力してる特別な存在だと思っていたが、努力が報われない。若者が世の中現実を知った時の感情を作者の巧みな表現で描かれて...

20才の若者を描いた作品。裏表紙の「若者だけが享受できる世界...」と記載通りの内容であった。特に最後のハル(遥)目線の物語において、周りは努力をしていない、自分は努力してる特別な存在だと思っていたが、努力が報われない。若者が世の中現実を知った時の感情を作者の巧みな表現で描かれており、朝井リョウ作品の素晴らしさが凝縮されていると思った。

Posted byブクログ

2024/02/28

朝井リョウさんが書いた本をまだ読んだ事がなく手に取ったこの本、「もういちど生まれる」。 一人ひとりが生きる世界の広さを、そしてその世界が少しずつ重なって、世界が息をしているのだということを改めて感じました。 もう一つ。本書の「破りたかったもののすべて」を読んで、少し前から私の心...

朝井リョウさんが書いた本をまだ読んだ事がなく手に取ったこの本、「もういちど生まれる」。 一人ひとりが生きる世界の広さを、そしてその世界が少しずつ重なって、世界が息をしているのだということを改めて感じました。 もう一つ。本書の「破りたかったもののすべて」を読んで、少し前から私の心にかかり始めた霧がどうして晴れなかったのか、何故濃くなったり淡くなったりするのか、気が付きました。 私は幼い頃からピアノを習っています。当時からピアノを習っている、ピアノが弾けるということで、よく「すごいね」と言われました。今でもそういうことがあります。そう言ってもらえることは凄く嬉しかったですし、自分ってすごいのかも、なんて思ってる時期もありました。 ただ、段々とピアノに、音楽に向き合うようになり、ただ楽譜に書かれた音符を弾くことだけがピアノを弾くということではないのだと感じはじめました。そしてその頃から、これまで何度も受け取ってきた「すごい」って、一体何なのだろうかと考えるようになりました。 私の中で、ピアノを弾くというのは、単に楽譜に書かれた音符をなぞることではありません。その曲を作った人が込めた想いも含めて、その曲の中に私が見た世界を、自分以外の人にも見て、聴いて、感じてもらうことです。 私は、私の音楽を、私の見ている世界を見て聞いて感じて欲しいと強く想っているのだと気付きました。そしてその想いが私の心と、私の音楽への道を照らしているのだと気が付きました。 この世界には何十億人もの人々が生きている。だけど、自分のことを「わかって」くれる人なんてきっと何処にもいない。そんな思いを抱えながら歩んできた私の世界に、少しでも耳を傾けて、感じてくれる人がいてほしい。 時々私の世界を見てくれる人がいます。その人達は私の心の霧を少しだけ薄くしてくれます。 私が私の音楽をまっすぐに見つめてほしい、と思うのは、自分はひとりなんだという感覚を誤魔化したいからなのかもしれません。 本書を読み、心にかかっていた霧が一気に晴れた感覚がしました。今はそれこそ'瑞々しい'日々を過ごしている私ですが、この先、この瑞々しさを失った後、この本をまた読みたいなと思います。

Posted byブクログ

2024/02/25

◯挑戦する人をバカにする人の愚かさにスポットライトが当たった一冊。 直視したくない現実を見させられる朝井リョウさんの本は、読んでいて、考えさせられる。

Posted byブクログ