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野川 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2016/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭は主人公が転校した学校の周辺環境についての描写があるのですが、うまく思い描けませんでした。 その後、東京の地形の話が出てきて、都民でないわたしは想像することができず、ふーんというくらいでしたが、東京に住んでいる方には興味深いかもしれません。 解説にも書かれていますが、長野さんの小説で、ここまで固有名詞がはっきりと出てくるのは初めてだと思います。 ただ、S山、東京G大学などとぼかされているところもあり、その差が何を意味するのかはよくわかりません。 一般的に(多くの人が)自分が実際に体験したことでないと、それは自分の経験とはならない、というような考え方だと思いますが、それとは少し異なる考えが述べられていて、興味深かったです。 科学的に証明されているのか?という疑問もあるのですが、書かれているような考え方ができるのであれば、一生のうちに手に入れられるものは無限である、という長野さんの考え方なのだと思いました。 わたしも一般的な考え方をしていますが、話をきいたり、何かを読んだりしたことが経験とまではいかなくても、「自分のもの」になり得るという考え方は、今後、わたしに大きな影響を与えるかもしれません。 せっかく生きるのであれば、より多くのものを手に入れたいと考えているので。 蛍の話のシーン、わたしも読み終わってふっと息をつきました。 雨の中、父親と会い、家へ帰る流れは読んでいて涙が出そうでした。 長野さんの小説を読んでこんな家族愛っていいなあみたいな俗っぽい感情を抱いたのは初めてです。 ちょっとびっくりしました。(自分に、なのか、小説に、なのかは不明・・) 窓側の席を譲ってくれなかった~などの兄弟のエピソードはいつもの長野さんらしいですね(笑) わたしの好きな世界観はこれではないので、これが最高傑作・・?という感じですが、ファン以外にも受け入れてもらいやすい標準的な小説という意味では最高傑作だと思います。

Posted byブクログ

2014/05/30

私にとっては懐かしい武蔵野の風景でした。幼稚園から小4までなんて曖昧で脳内地図も繋がらないんだけど……だからこそ記憶と重なります。見たことないものでもちゃんと自分の風景になる、想像の力ってすごい。

Posted byブクログ

2014/05/21

子どもの頃から身近にあった「野川」とその周辺を舞台にしたお話。与えられた言葉だけをもとに、想像力を働かせてその光景を眺めるのは意外と難しい。難しくて河井先生の「話」を何度も読み返してしまった。生徒たちを子ども扱いしない、そんな態度が音和には好ましかったのだろう。伝書鳩についての記...

子どもの頃から身近にあった「野川」とその周辺を舞台にしたお話。与えられた言葉だけをもとに、想像力を働かせてその光景を眺めるのは意外と難しい。難しくて河井先生の「話」を何度も読み返してしまった。生徒たちを子ども扱いしない、そんな態度が音和には好ましかったのだろう。伝書鳩についての記述は大変興味深かった。

Posted byブクログ