イベリコ豚を買いに の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ライターの著者が、イベリコ豚の取材を進めるにあたって肉製品の販売に乗り出した顛末記。 イベリコ豚は、ビールを飲ませるだとかのブランド豚とは違い意図的に肉を美味しくしたものではなく、昔から農家に飼われ、森で放牧されドングリを食べてローカルで消費されていた。現在では、血統は守られ、イベリコ純正で、ドングリを最後のシーズンに食べるものをベジョータといいこれが最も高級で美味しいとする。その他の掛け合わせ、通常飼料のものはベジョータほど美味しくはない。製品は、ほとんどが生ハムであるがステーキもおいしいし、ローカルでは脂と豆を煮込んだものも食べられている。 著者が取材、及び商談を進めて行くにあたって、スペインの酪農家、生ハムメーカー、日本のレストラン、ハム会社、こだわり食材販売会社の経営者が出てく射手それぞれがプロフェッショナルとしての仕事を進めて行くのに素人の著者も経営とは小さなことの積み重ねであるということに気づかされる。
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数年前からやたらとTVや雑誌、街中で耳にするようになった「イベリコ豚」。 けれど実際、普通の黒豚などと比べて、そこまでありがたがるほど美味しいか? と感じていた。 一般的にイベリコ豚といえば「どんぐりを食べて育つ豚」と理解されているが、それはごく一部の、“ベジョータ”という名の超...
数年前からやたらとTVや雑誌、街中で耳にするようになった「イベリコ豚」。 けれど実際、普通の黒豚などと比べて、そこまでありがたがるほど美味しいか? と感じていた。 一般的にイベリコ豚といえば「どんぐりを食べて育つ豚」と理解されているが、それはごく一部の、“ベジョータ”という名の超高級種のみだ。これは日本国内でもほとんど食べたことのある人がいないと思われるほど貴重なイベリコ豚なのだ。今まで何度か食べたことのあったイベリコ豚は、ニセモノとは言わないまでも“その他大勢”の種類のものだったのだ。 筆者はそんなイベリコ豚の魅力に取りつかれ、ついには自ら買いつけるようになる。そうして知人と共同で、国内でイベリコ豚の商品を売り出すまでになるのだ。 買いつけや輸入・流通のしくみ、食品開発の大変さなどまでもわかる、素晴らしい教科書であるように思う。
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イベリコ豚。執念の一冊ですね。ハモンセラーノは食べたことがありますが、ハモンイベリコ、どんなにおいしいんだろう?
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いつも書いている気がするが、豚本には強烈に引き寄せられる。何冊目の豚本だろうか。イベリコ豚を買いに。取材するはずが口蹄疫で断られ、だったら買うから、ということではじまったスペイン行脚と生ハム販売を描く。と書くと、あんまり面白そうでなくてすみません。 イベリコ豚というのものが実は...
いつも書いている気がするが、豚本には強烈に引き寄せられる。何冊目の豚本だろうか。イベリコ豚を買いに。取材するはずが口蹄疫で断られ、だったら買うから、ということではじまったスペイン行脚と生ハム販売を描く。と書くと、あんまり面白そうでなくてすみません。 イベリコ豚というのものが実はどういう豚なのか、スペイン人にとっての豚とは、生ハムとは。そしてスペインの置かれた経済環境や人情話やら。日本の市場には、生ハムに限らず立派なニセモノがきらびやかである。多くのイベリコ豚もまた、結局のところニセモノというか偽装だったりもする。 締め方が、何か経済めいた感じになっていて、真のサスティナブル食材であるというイベリコ豚とのギャップがありつつも、しかしイベリコ豚のシゴトとは、イベリコ豚を守ることでもあった、ということも伝わるし。 もりだくさんな本である。
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花泉図書館。 まず「イベリコ豚」がどんな定義の豚なのかよくわかった。そして「流通にのせる商品を開発する」ということはどういうことなのかを著者と共に勉強した、って感じ。 それにしても装丁が絶妙!!良い仕事!!
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イベリコ豚ってどんな豚か分かり、スペイン人の生ハム好きも良く分かりましたし、日本のハムは調味液を注入され130%に膨張していることも知りました。だけど、スペインのプラド美術館にあるゴヤの「砂に埋もれる犬」の絵が気になって仕方がない終わり方です。砂に埋もれて見えないはずの手足は、き...
イベリコ豚ってどんな豚か分かり、スペイン人の生ハム好きも良く分かりましたし、日本のハムは調味液を注入され130%に膨張していることも知りました。だけど、スペインのプラド美術館にあるゴヤの「砂に埋もれる犬」の絵が気になって仕方がない終わり方です。砂に埋もれて見えないはずの手足は、きっと砂の中でバタバタさせており、これ以上埋もれないよう顔だけは平静を装いあがいている姿が観ている者に自分を重ねてしまうような絵ということなので。
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どんぐりを食べて飼育された豚のことをイベリコ豚という。スペインでしか生産されず、その肉はナッツの香が含まれる高級食材のはずなのだが、ありふれたスーパーで特売されていることもある。一体全体、イベリコ豚って何? そんな素朴な疑問からはじまった著者の取材。まずは産地スペインを訪れよう...
どんぐりを食べて飼育された豚のことをイベリコ豚という。スペインでしか生産されず、その肉はナッツの香が含まれる高級食材のはずなのだが、ありふれたスーパーで特売されていることもある。一体全体、イベリコ豚って何? そんな素朴な疑問からはじまった著者の取材。まずは産地スペインを訪れようとするが、口蹄疫が発生した国の人間という理由で取材を断られる。しかし、著者はあきらめない。じゃあ、客としてならいいだろうと、豚2頭をまるごと仕入れて、加工して、日本で販売するから取材させろと交渉。どんだけ好きなのだ、イベリコ豚。 そんなきっかけでイベリコ豚の商品開発を手がけることになったジャーナリストのイベリコ豚騒動記。「イベリコ豚とは」にとどまらず、日本で食品を開発し、流通させるというベンチャー企業体験談でもある。 何よりもこの本はイベリコ豚の宣伝本としてよくできている。著者の広告業センスに脱帽。読み終えるとイベリコ豚を食べたくなる。
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分かっているようで全く理解していなかったイベリコ豚。 スペインの歴史、文化そのものだから、今まで以上に大切にして食べていきたい。 著者と一緒で、はじめて食べた時の衝撃が忘れられないのがイベリコ豚です。 そして読みながらマルディクラハムを注文してしまったよ。届くのが楽しみです。 とてもお腹の空く本です。読む時はご注意を
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たんなるイベリコ豚についての本かと思ったら全然違った。 著者がどのようにしてイベリコ豚を仕入れて商品化するまでのプロセスが非常に読み応えがあり、下手なビジネス書よりも勉強になる。
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確かにイベリコ豚の本なのですが。 著者の立ち位置が、ジャーナリストから経営者としての目線へと変化して行き、マネジメントにおける色々な「気づき」を告白しています。 グルメ情報だけでなく、ベンチャービジネスを語ったビジネス書としても、楽しめると思います。 少し大げさですが、マネー・ボ...
確かにイベリコ豚の本なのですが。 著者の立ち位置が、ジャーナリストから経営者としての目線へと変化して行き、マネジメントにおける色々な「気づき」を告白しています。 グルメ情報だけでなく、ベンチャービジネスを語ったビジネス書としても、楽しめると思います。 少し大げさですが、マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)のように、ビジネス書として読んでみるのも、きっと面白い!!
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