アリストテレス知性論の系譜 の商品レビュー
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アリストテレスの霊魂論のなかで語られる。知性論それを古代の学者たちがどう解釈し、理解を深めていったのかについて1500年にわたる知性論史をまとめた本。 知らない状態から知る状態になるということは変化したということであり、それはどういうことかという議論から始まる。知っている状態と知らない状態が物質の変化ならば、白いチョークが黄色いチョークになったようなものと考えられるのではないだろうかと考える。しかしAを知った後Bも知ることができるならば、なぜ両立するのかということになるらしい。自分としては引き出しにものが入る状態と考えればよいとおもうのだが、あくまで何かが変化すると考えたわけだ。 ならば知るということを結び目を作ると考えたらどうだろうか。Aを知るということはAに対応した結び目を紐につくるということでありBを知るということは紐に別の形のBに対応した結び目をつくと言うこと考えたらどうだろうか。紐の長さは人の記憶容量に応じて長くなったり短くなったりする。それを具体的に実現したのがマヤのキープだといえるのではないだろうか。 話が脱線した、この本は他に知性は個の生物に付属するものなのか人という種に共通するのかという問題も扱う。1500年の時間の間に知識は一つであるとう考えも提出され、知識は普遍であると言う考えも提出された。 特にこの本で勉強になったのは感覚知性と知性を同じようにあるは並列にならべて考えようとしたことを学べたことと視覚を基本として知性を考える流れがあったのと触覚を基本として知性をとらえる流れが後世できたことであった。 十分には理解できなかったので再読が必要かと思う。 住んでいるところの図書館にはなかったみたいで東京都の図書館の本を借りて読むことができた。 こういう本を所属してくれる公共の図書館に感謝。
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