世界の見方の転換(1) の商品レビュー
天動説から地動説へ。簡略なストーリーとともにコペルニクスやガリレオの名は誰でも聞いたことがあるはず。しかし、クローズアップしてみると、そこには膨大な人類の知の営みや紆余曲折があり、社会的、宗教的、技術的な背景がある。なぜ西欧に近代科学が誕生したかを考察する3部作の掉尾を飾る上中下...
天動説から地動説へ。簡略なストーリーとともにコペルニクスやガリレオの名は誰でも聞いたことがあるはず。しかし、クローズアップしてみると、そこには膨大な人類の知の営みや紆余曲折があり、社会的、宗教的、技術的な背景がある。なぜ西欧に近代科学が誕生したかを考察する3部作の掉尾を飾る上中下3巻。 重量級の読書でありました。正直、ケプラーのところは数式を追いきれず。それでもなお面白い。あと、たまには星空を見上げたくなる。
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天文学は今は物理学・宇宙学とでもいうべきだろうか。副題のこの言葉が懐かしい。東大全共闘元議長の数学、物理学、地理学、世界史、神学への造詣の深さを感じさせる書である。プトレマイオスという化石のように感じていた人物の発言で、「より新しい調査記録に心を向けるべき」と地理学の不断の更新を...
天文学は今は物理学・宇宙学とでもいうべきだろうか。副題のこの言葉が懐かしい。東大全共闘元議長の数学、物理学、地理学、世界史、神学への造詣の深さを感じさせる書である。プトレマイオスという化石のように感じていた人物の発言で、「より新しい調査記録に心を向けるべき」と地理学の不断の更新を訴えているという先進性などは意外で見直した!紀元前3世紀のギリシャでアリスタルコスが既に太陽と月までの距離を計算していたということは。過去の人たちにとって惑星の軌道が円ではなく、楕円であることが完全でないとの衝撃は今では考えられない。この方の本は自然科学というよりも、宗教・文化論に近い印象がある。自然に対する好奇心は、14世紀から200年間に大きく評価が変わり、神認識に至る有効な道だと称揚されるようになったとの著者の主張は、この人であるだけに印象に残る。
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