寂しい丘で狩りをする の商品レビュー
性加害事件を扱った作品だが、その緊迫感と加害者の存在に身震いした。 加害者はあまりにも独りよがりだ。司法も守ってくれず、追い詰められていく姿は悲しさを通り越して虚しさすらある。 エンターテインメント小説のそれと違って作風としてはノワールに近い。暗澹としていて、逃げ場がない。解決策...
性加害事件を扱った作品だが、その緊迫感と加害者の存在に身震いした。 加害者はあまりにも独りよがりだ。司法も守ってくれず、追い詰められていく姿は悲しさを通り越して虚しさすらある。 エンターテインメント小説のそれと違って作風としてはノワールに近い。暗澹としていて、逃げ場がない。解決策はあるがこれを実行するとどうなるのか。 この小説には怒りがある。それは叫ぶようなものではなく、静かで、こちらを真正面から見据えて捉えて離さない。読ませる小説だった。
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ヒロインの女探偵が、カッコ良かったんですけど。 有能で美しくて、だからこそなのか、DV被害者でもある。 自身もDVの被害を受けつつ、ストーカーされている依頼者を 体を張り、法を犯しながらも守ろうとする。 狩られながら狩る、という二重構造。 いや、ヒロイン、カッコいいんですけ...
ヒロインの女探偵が、カッコ良かったんですけど。 有能で美しくて、だからこそなのか、DV被害者でもある。 自身もDVの被害を受けつつ、ストーカーされている依頼者を 体を張り、法を犯しながらも守ろうとする。 狩られながら狩る、という二重構造。 いや、ヒロイン、カッコいいんですけど、なんですか 犯人側が理不尽すぎて、嫌気がさしてしまいましたわ。 だもんで、星3つです。
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この春(2022年4月)からテレ東系で連ドラ化されるので読んでみたが、私の好みではない。実際にこんなやつらがいそうなのが本当に嫌。全体的に文章がタラタラして読むのがしんどくなった。あと、古い映画の話もいらないよなあ・・・
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現代の社会において、ストーカー犯罪の標的になることがどれほど危険で恐ろしいことなのかを実感させられる。 社会は頼りにならず、自分で必死になって身を守るしかない。 私刑による解決をどう捉えるか、倫理的な問いかけとしての意義はある小説と思う。 辻原登の小説は他に読んだことがないのだ...
現代の社会において、ストーカー犯罪の標的になることがどれほど危険で恐ろしいことなのかを実感させられる。 社会は頼りにならず、自分で必死になって身を守るしかない。 私刑による解決をどう捉えるか、倫理的な問いかけとしての意義はある小説と思う。 辻原登の小説は他に読んだことがないのだけれど、20年以上前(1990年)に芥が賞を受賞した人なんだね。 ということはもともと純文学系の作家なのか、こういう犯罪小説のサスペンスを描くのには慣れていない印象を受けた。 描写のトーンが一定しなかったり、人称がころころと入れ替わったりで、どうにも安定しない。 山中貞雄など映画ネタが豊富に登場するのは個人的には興味深いんだけど、あんまり小説のテーマと関係ないよね。 加害者の男たちの執念深い計画性を描く一方、加害者が映写技師で、被害者が映画編集者で、発掘された貴重な映画フィルムにより二人が結びつくというあまりにご都合主義的な偶然性(しかもそのご都合主義があまり作劇に活かされない)が配されるあたりのアンバランスもいまいち据わりが悪い。
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古い映画の再生を仕事にしている野添敦子は,押本史夫に襲われた過去がある.女探偵の桑本みどりは精力的に仕事をこなしているが,敦子が出所した押本に再度襲われる可能性があることを知り,敦子を支援する.押本が出所してから様々な知識を駆使して敦子の居場所を突き止める過程は,読んでいて楽しめ...
古い映画の再生を仕事にしている野添敦子は,押本史夫に襲われた過去がある.女探偵の桑本みどりは精力的に仕事をこなしているが,敦子が出所した押本に再度襲われる可能性があることを知り,敦子を支援する.押本が出所してから様々な知識を駆使して敦子の居場所を突き止める過程は,読んでいて楽しめた.敦子の仕事の映画の話も良い.みどりに付きまとう久我や桂弁護士の脇役も話を盛り上げている.みどりが押本を襲うことで事件は終結に向かうが,登場人物がそれぞれ個性的で面白かった.
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ストーカーと化した男が、女性を執拗に追い詰めていく。 標的となった女性はにげる場所を失い、遂には自らが.... 現実の世界でも、ストーカーに狙われたら、効果的な対処手段を取ることは非常に難しいことは証明されていると思う。 そして、残念ながらその被害にあう人は後を絶たない。 本...
ストーカーと化した男が、女性を執拗に追い詰めていく。 標的となった女性はにげる場所を失い、遂には自らが.... 現実の世界でも、ストーカーに狙われたら、効果的な対処手段を取ることは非常に難しいことは証明されていると思う。 そして、残念ながらその被害にあう人は後を絶たない。 本書の中心に描かれている女性は二人。 そのどちらもが、非常に不幸なきっかけから狙われるようになる。その狙うやり口、襲う姿、逃げる姿はかなり詳細であり、不愉快な気分になるほど。 しかし、それらの内容を繋ぐエピソードが、いかにも都合の良い偶然。その偶然の微妙な通路を通って話が続いていくので、「偶然も三度続くと....」作者の都合の良い意図を感じてしまう。 そして、不愉快な物語の回収、終章に向かっても、その都合は如何なく発揮される。 ストーカーが絡む物語は、中途半端に終了してしまうと、おそらく非常に後味の悪い話になると思う。 その点では、強引に問題を解決するのもやむを得ないかもしれないが、作者の強引さも印象に残ってしまった感がある。
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途中まではスリルでドキドキ感じさせる展開だったが、みどりだけが対峙する展開になってからは、何と無くつまらなくなったのは何故だろうか?
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とても読みづらく、入り込めませんでした。 話の展開としては、ドキドキハラハラ、迫り来る恐怖、というところなのでしょうが、どうしてもそこまでに至らず、時間ばかりかかっていたかも。 サイドストーリー的な映画のフィルムの話などが、私にはさらに読みにくさを増長させた感じがあり、とても残...
とても読みづらく、入り込めませんでした。 話の展開としては、ドキドキハラハラ、迫り来る恐怖、というところなのでしょうが、どうしてもそこまでに至らず、時間ばかりかかっていたかも。 サイドストーリー的な映画のフィルムの話などが、私にはさらに読みにくさを増長させた感じがあり、とても残念でした。 それにしても、刑期を終えた人間が、逆恨みから復讐を考える、こんなことがあるのは、ホントに怖いです。
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犯罪小説。何度も賞を取っている作家さんですが、初めて読んだのがこれです。 かつて性犯罪の被害に遭った女性と、恋人だった男の暴力とストーカー行為に悩む女探偵、それぞれの加害男性。その4人が軸になっており、追うものと追われるものの心情を交えながら話が展開していきます。 胸糞悪くなる...
犯罪小説。何度も賞を取っている作家さんですが、初めて読んだのがこれです。 かつて性犯罪の被害に遭った女性と、恋人だった男の暴力とストーカー行為に悩む女探偵、それぞれの加害男性。その4人が軸になっており、追うものと追われるものの心情を交えながら話が展開していきます。 胸糞悪くなるほど卑劣な男性陣に対し、被害に向き合い証言台に立ったり、現状を打破すべく行動する女性陣が凛々しいですが、私はそれほど好みな作品ではありませんでした。 作中の、古い映画フィルムの話などは、それが良いとする方も多いのでしょうが、私には興味がないので斜め読みに。 固有名詞がやけに出てくることもなんだか気になってしまいました。あんなに実在の社名や商品名が出てくる必要はあるのかと…。 思わず、東野圭吾の「超税金対策殺人事件」を思い出してしまいました。勿論、そんな意図はないでしょうが。 追う側、刑期を終え出所後に復讐を企てる男の粘着質さに眉を寄せ、何とか報われる結末を、と願いながら一気に読了です。
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かつて自分をレイプした凶悪犯が刑期を終えて出所してくる。復讐のため自分の居所を探すであろうと感じた野添敦子は、女性探偵に彼の尾行を依頼する。その仕事の依頼を受けた女性探偵自身も、交際相手の暴力に苦しんでいるという設定で物語は進展していくが・・・犯罪が起こってからでないと動けない警...
かつて自分をレイプした凶悪犯が刑期を終えて出所してくる。復讐のため自分の居所を探すであろうと感じた野添敦子は、女性探偵に彼の尾行を依頼する。その仕事の依頼を受けた女性探偵自身も、交際相手の暴力に苦しんでいるという設定で物語は進展していくが・・・犯罪が起こってからでないと動けない警察では当てにはできないと感じた女探偵のとった行動は・・・
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