自傷・自殺する子どもたち の商品レビュー
自傷がどのように自殺に繋がるか、それを如何に周りが防ぐかについての本。 私は首吊り自殺未遂で現在精神病院に医療保護入院中、19歳です。 自分は自傷経験無しでの自殺未遂だったから自分に当てはまる部分は少なかったけど、周りの子に当てはめてとても参考になった。特に、初手に「そんな事され...
自傷がどのように自殺に繋がるか、それを如何に周りが防ぐかについての本。 私は首吊り自殺未遂で現在精神病院に医療保護入院中、19歳です。 自分は自傷経験無しでの自殺未遂だったから自分に当てはまる部分は少なかったけど、周りの子に当てはめてとても参考になった。特に、初手に「そんな事されたら悲しいでしょ」って言葉を使うのは援助希求能力の妨げとなることはもっと知られるべき。そう言われるって分かったら確かに自傷行為を報告しづらくなる。何より自傷行為を把握する事が第一って認識。 信頼できるような大人になれるように頑張ります。助けを周りに繋げられる能力、真っ先に否定しない。3人に1人もその条件を満たす大人が居るとは思えない。一般的な意味で「信頼出来る大人」は結構居るけど、適切な対応を取れる大人が3人に1人は居ない……(´・ω・`)
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大人の対応をどうしたらいいのか書いてくれていて、とても良かった。援助希求力を伸ばせる心理士になりたいな。その前に私が援助希求できるようにならないとだし、クライエントの利益のためにも支援者が色々な人や機関と繋がってることが必要なんだなぁ
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「援助希求能力」という言葉が一番頭に残った。助けてと言えない子どもが、助けてと言えるようになるための大人のあり方を考えさせられた。援助希求能力は子どもだけではなく、大人も含めた全ての人にとって一番必要な力のひとつだと思った。
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自殺した彼を理解したくて読んだ本だった。彼の痛みも苦しみも載っているはずがないとわかっていながら、何か心に折り目をつけたいと。 精神論じゃなく、「死」を理論的に数字で理解しようとした。 過去を考えながら読み始めた本。 読み終わったあと 「3人のうちの1人でいたい」 「援助の...
自殺した彼を理解したくて読んだ本だった。彼の痛みも苦しみも載っているはずがないとわかっていながら、何か心に折り目をつけたいと。 精神論じゃなく、「死」を理論的に数字で理解しようとした。 過去を考えながら読み始めた本。 読み終わったあと 「3人のうちの1人でいたい」 「援助の声を救い漏らさない大人の存在でいたい」 未来で在りたい自分に出会えた気がした。 折り目はついてない。 それともずっと前からついていたのかも。
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子どもの自傷・自殺に関する「なぜ?」「こんなときどうする?」がわかる本。(医療・福祉や教育の)専門外の人間にもわかりやすく書かれています。 ●自傷は、周囲の関心を引こうとする「アピール」ではない。 ・・・逆に、大半の自傷は、一人のときに他人に気づかれないように始まる。 →(...
子どもの自傷・自殺に関する「なぜ?」「こんなときどうする?」がわかる本。(医療・福祉や教育の)専門外の人間にもわかりやすく書かれています。 ●自傷は、周囲の関心を引こうとする「アピール」ではない。 ・・・逆に、大半の自傷は、一人のときに他人に気づかれないように始まる。 →(1)その後、自傷をコントロールできなくなり周囲に気づかれる。その結果、自傷することで他者を動かすという「アピール」的な状況になる。 →(2)上記の状況に慣れ、疲弊した周囲の人が、自傷者に冷淡な態度になる(「切りたければ切ればいい」と言うなど)。 →(3)自傷による心の痛みをまぎらわせる効果も、周囲との絆を感じる効果もなくなり、自傷から自殺の実践へと移行 ●自傷は、「生き延びるため」に行われる。 自殺の原因=”苦しみから逃れるためには死ぬしかない”という絶望 自傷の原因=苦しみを逃れ、一時的にしのぐこと ただし、初めての自傷に限っては、死を目的とすることも少なくない。 ●だから、「『自傷をやめなさい』はやめなさい!」 ●自傷者に対して控えたいセリフ =「親からもらった体を大切にしなさい」「あなたが傷つけると私の心も痛い」「やってはいけないよ」 ●自傷・自殺は感染する。 ●なによりも大切なもの=困ったとき、助けてと言う力 ●「おわりに」・・・読者へのたった一つの「お願い」
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“ハリスとバラクロウ(Harris & Barraclough, 1997)の研究によれば、あらゆる精神障害の予後のなかで罹患する患者の自殺死亡率が最も高い疾患は、摂食障害なのです。”(p.101)というのが意外だった。統合失調症と双極性障害が二大精神疾患だと思ってたから...
“ハリスとバラクロウ(Harris & Barraclough, 1997)の研究によれば、あらゆる精神障害の予後のなかで罹患する患者の自殺死亡率が最も高い疾患は、摂食障害なのです。”(p.101)というのが意外だった。統合失調症と双極性障害が二大精神疾患だと思ってたから。
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※このレビューにはネタバレを含みます
チェック項目10箇所。本書は、子どもや思春期の若者たちの自傷を中心にとりあげながら、子どもと若者の自殺予防のために周囲の大人たちは何を考え、何をすべきかについて、私自身が臨床経験や研究を通じて考えてきたことをまとめたものです。「自傷の96%は、ひとりぼっちの状況でおこなわれ、しかも、そのことを誰にも告白しない」(Hawton etal,2006)。典型的な自傷は、「誰かに自分のつらさに気づいてもらう」などと、他者を意識したアピール的な行動とはいえません、むしろ、「誰の助けも借りずにつらさに耐え、苦痛を克服する」ための孤独な対処法と理解すべきなのです。自殺が、脱出困難な苦痛を解決するために、「意識を永遠に終焉させる」方法であるのに対し、自傷は、自分の意識状態を変容させることで何とか苦痛を「一時的にしのぎ」、その瞬間を「生き延びるため」におこなわれるわけです、自殺を考える者の脳裏にはもはや絶望しかない一方で、自傷を考える者の脳裏には、まだ多少とも希望が残されているといえるのかもしれません。くりかえし身体的虐待という肉体的苦痛を受けている子どもは、そのたびに脳内でエンケファリン産生が刺激されて鎮痛されるために、いつしか理学的な痛みに対して鈍感になってしまっているというのです。人を自殺にいたらしめる究極的な危険因子として、3つの要因:「身につけられた自殺潜在能力」、「所属感の激弱」、「負担感の知覚」。自傷経験のある若者たちは将来における自殺リスクが非常に高い集団です、しかし、彼らの自殺リスクを高めている究極的な要因は、リストカット自体ではなく、つらいときに援助を求めることができないこと、あるいは、助けてくれる大人がいないことにあります。自尊心や自己効力感の乏しい若者は、たった1つの問題行動を「いけない」「やめなさい」と否定されただけでも、すぐに「人格を否定された」「全面否定された」と早とちりしやすいものです、それよりは、「あなたという『存在』は正しい」、ほんの少しだけ改善した方がよい点があるだけだ」というニュアンスでメッセージを伝えた方が、援助者の気持ちは伝わりやすいと思います。自傷する子どもにいってはならない禁句、いわば「NGワード」を覚えておいてください、それは、「誰かの真似」と「関心を惹きたくてやっている」の2つです。自傷を止めるには、先行要因となる感情的苦痛が出現しなくなるか、そうでなければ、何か代替的な行動(置換スキル)によってひとまず感情的苦痛から気持ちをそらさなければなりません。「死にたい」という告白、「困難や苦痛のせいで『死にたい』くらいつらいが、もしもその苦痛が少しでも減じるのであれば、本当は生きたい」というメッセージと理解することができます。
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子どもの自傷・自殺について、わかりやすく、丁寧に紹介されている一冊。 自傷はどんな状況で行われているのか、 自殺と自傷の違いは何か、 自傷をする子どもの身の回りではどんなことが起こっている可能性があるのか、 等々、まさに支援者が知りたいことについて紹介されています。 注意を要...
子どもの自傷・自殺について、わかりやすく、丁寧に紹介されている一冊。 自傷はどんな状況で行われているのか、 自殺と自傷の違いは何か、 自傷をする子どもの身の回りではどんなことが起こっている可能性があるのか、 等々、まさに支援者が知りたいことについて紹介されています。 注意を要するのは、 「リストカットでは死なない」としても、 「リストカットする奴は死なない」とはいえない という点。 自傷を自殺関連行動と見て、どのように接していけばよいのかを、 視点の持ち方、 声のかけ方のポイントとともに、 具体的に紹介されています。 一番大切なことは、 子どもが「助けを求められる人」になっていけるよう、援助していくこと。 そのために、私たちは「信頼できる大人」であること。 子どもの支援に携わっている方々に、広くご紹介していきたい一冊です。
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