ヅカメン! の商品レビュー
宝塚といえば「女性だけ」のイメージだけど、スタッフさんや家族には当然、男性もたくさんいる。 普段は光の当たらないその男性たちの視点から見た宝塚。 6話からなる短編集は軽く連作になっていて、前の話で出てきた受験生が予科生になっていたり舞台に立っていたりするので、「お父ちゃん」たちと...
宝塚といえば「女性だけ」のイメージだけど、スタッフさんや家族には当然、男性もたくさんいる。 普段は光の当たらないその男性たちの視点から見た宝塚。 6話からなる短編集は軽く連作になっていて、前の話で出てきた受験生が予科生になっていたり舞台に立っていたりするので、「お父ちゃん」たちと一緒に少女たちの成長を見守っているような気持ちになれる。 「月の番人」 阪急の駅長を定年退職後、歌劇団の寮の生徒監になる多々良さんのお話。 生徒監が生徒たちに「お父ちゃん」と呼ばれているのが、なんだかあったかくていいなぁ。 「咲くや此の花」 宝塚受験を目指す万里子のパパ、荒木さんのお話。 OGさんのスタジオにちょっとしたご縁があったので、受験のために一生懸命レッスンに通う少女と親御さんの話は身近に感じる。 「ハッピーホワイトウエディング」 宝塚に合格した美雪のお兄ちゃん、裕一のお話。 予科生の決まり事がいろいろ書かれていておもしろかった。知っている話も知らない話もあったけれど、制服にポケットがないのは不便そう。 「星に願いを」 工業高校卒業後、遊園地で電気関係の仕事を希望したのに歌劇場の大道具に配属されてしまった原口くんのお話。 「コスモポリタン」 本社人事部から歌劇団の制作に異動となった鍋島さんのお話。 制作といっても、実は歌劇団の人事のような立場。タカラジェンヌにリストラ=卒業を促す役目に悩む。 「海外専科」 5話の鍋島さんを中心に、ニューヨーク公演を企画。成功を目指すお話。 4話の原口君も再登場。 各話それぞれ、宝塚の組名を思わせるタイトルになっているのに気付き、また楽しくなる。 ディープな宝塚ファンが満足できる内容かどうかはわからないけれど、ファンでなくてもさらりと楽しめる一冊。 作者さんは教育書や児童向けミステリなどを書かれている方で、本書が初の一般書だそう。 易しい文章で読みやすく、たまにヘンな関西弁もご愛嬌。 ただ、校正したの?と疑問に思うくらい多数の誤植があり、それが残念。
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宝塚に関係を持つお父さんやお兄さんの物語。突然、宝塚歌劇団のマネージャーみたいな人になってしまった、元鉄道マンの男の人とか、自分の娘が宝塚を目指すお父さんとか。 宝塚の生徒(団員?)の一途さとか、真剣さが伝わってきて好感が持てる。見てみたい気もするけど。
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