マルクス経済学・再入門 の商品レビュー

森田成也【著】

2018/02/12

伊藤誠資本論を読む、と双璧をなすわかりやすさ。

宇野弘蔵の経済原論は逆にわからなくなる。

後半は怒りの労働者階級としての資本への批判が、あらわになる。

労働者階級は、必読書

2017/12/02

マルクス経済学の入門書です。いわゆる「経済原論」と題されるマルクス経済学の教科書で扱われている内容のすべてをカヴァーしているわけではありませんが、内容を絞り込んでそのぶんていねいな解説がおこなわれています。

同じような意図で書かれたマルクス経済学の入門書に、相田慎一の『経済原論入門』（ナカニシヤ出版）がありますが、相田の本があくまで入門書としての役割に徹しているのに対し、本書では随所に著者自身の見解が盛り込まれています。たとえば、労働力の再生産や特別剰余価値をめぐる議論では、『資本論』の叙述に必ずしも縛られることなく、現代的な状況を踏まえながらマルクス経済学の立場からより整合的に理解できることが説得的に論じられています。

そうした意味では、やや発展的な内容にも踏み込んでいるといえるのですが、初学者に向けたわかりやすいことばで説明がなされており、好感がもてました。