毒殺師フランチェスカ の商品レビュー
ボルジア家に仕える毒殺師だった父を殺されたフランチェスカは、父のあとを継ぎ仇を討つことを誓う。 教皇の座を狙う主人ロドリーゴ・ボルジア、迫害されるユダヤ人たち、狂信的な神父などそれぞれの思惑が入り交じり、ルネサンス期イタリアを舞台に展開する歴史ロマン。 ボルジア家に仕える女毒殺師...
ボルジア家に仕える毒殺師だった父を殺されたフランチェスカは、父のあとを継ぎ仇を討つことを誓う。 教皇の座を狙う主人ロドリーゴ・ボルジア、迫害されるユダヤ人たち、狂信的な神父などそれぞれの思惑が入り交じり、ルネサンス期イタリアを舞台に展開する歴史ロマン。 ボルジア家に仕える女毒殺師という設定だけでもうワクワク。もちろんチェーザレやルクレチアも登場する。 どのように毒殺するか、敵からの毒の脅威をどのように防ぐかというサスペンスが面白いし、フランチェスカの造形も少々現代的だが好感が持てる。 原書は第3作まで出ているそうなので、引き続き翻訳してほしい。
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15世紀のイタリア、後に教皇ロドリーゴ・ボルジアに仕える毒殺師が、父親の仇を討ち、ロドリーゴを教皇にするべく働くのだが、虐げられるユダヤ人の姿、腐敗した教会、政治的な駆け引きが本から溢れそう。惣領冬実「チェーザレ」を参照しつつ…。 誠実な職人と才気煥発なチェーザレという2人の男性...
15世紀のイタリア、後に教皇ロドリーゴ・ボルジアに仕える毒殺師が、父親の仇を討ち、ロドリーゴを教皇にするべく働くのだが、虐げられるユダヤ人の姿、腐敗した教会、政治的な駆け引きが本から溢れそう。惣領冬実「チェーザレ」を参照しつつ…。 誠実な職人と才気煥発なチェーザレという2人の男性と主人公フランチェスカの関係が、なんとなくご都合主義ぽくかつ余計な感じがしてしまうけれど、続きが楽しみだ。
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15世紀末、殺された父の跡を継ぎボルジア家の毒殺師になったフランチェスカが、父の復讐と自らの任務のために闘う。 ボルジア家と言えば毒薬で有名だけど、毒殺師という視点から描かれたものは初めてで面白かった。毒殺師といういわば殺し屋のような立場でありながら、血が苦手で人の死に心を痛め、...
15世紀末、殺された父の跡を継ぎボルジア家の毒殺師になったフランチェスカが、父の復讐と自らの任務のために闘う。 ボルジア家と言えば毒薬で有名だけど、毒殺師という視点から描かれたものは初めてで面白かった。毒殺師といういわば殺し屋のような立場でありながら、血が苦手で人の死に心を痛め、信仰と恋に悩む人間くさい主人公が魅力的。 序盤はなかなか入り込めなかったけれど、後半フランチェスカとモロッツィとの対決あたりからぐいぐい引き込まれた。 今回は脇役とも言えるロドリーゴ・ボルジアやチェーザレ、ルクレツィア兄妹、ロドリーゴが教皇に選ばれたコンクラーヴェ、この辺りの歴史が好きな者にはたまらない。 シリーズものらしく、このちょっと微妙な終わり方も納得。続きが楽しみ。
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ボルジア家に仕える毒殺師の娘だったフランチェスカが、父が殺されたことでその事件の謎を追いながら、ボルジアの毒使いとして成長していく物語。 シリーズの1巻?のようで、毒殺という役回りはあんまり見られず・・・ うーん、タイトルとちょっとちがう感じかもしれない! 文章はまぁまぁ読みやす...
ボルジア家に仕える毒殺師の娘だったフランチェスカが、父が殺されたことでその事件の謎を追いながら、ボルジアの毒使いとして成長していく物語。 シリーズの1巻?のようで、毒殺という役回りはあんまり見られず・・・ うーん、タイトルとちょっとちがう感じかもしれない! 文章はまぁまぁ読みやすかったかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ボルジア家に仕え、教皇の地位に ボルジアを押し上げた影には 毒薬を自在に操る毒薬師がいた。 それはなんとまだうら若い女性、フランチェスカ。 彼女は毒薬を以って人の命を奪うことも出来ますが 人を殺めることを、誰よりも恐れる女性でもあります。 自身はキリスト教徒ですが、ユダヤ人の血も引いている彼女。 ユダヤ人の子どもたちを虐殺する計画を練る狂信的な神父 と、新教皇の座を誰が継ぐかという問題を絡めて対決します。 万能の女性ではありませんが、理知的で自分の弱さを見つめ ながら行動できるのが主人公フランチェスカの強み。 そして冷静な毒殺師の顔の下に、ごく普通の幸せを求める 女らしさや、弱いものが理不尽に殺されることへの怒りなど 豊かな感情を秘めていることも魅力のうちでしょう。 父を惨殺された復讐を望み、より高度な毒殺の腕前を 磨くことを望む暗い顔と、 優しく柔和な、穏やかな幸福を望む、勇気ある光の顔と。 対照的な2つの世界を内面に抱えるフランチェスカ。 愛する人も、権謀術策に満ち、官能的なチェーザレと 堅実で愛情深く、信頼できるロッコと、対照的な男たちが 絡みます。 ルネサンスの歴史の背景をある程度読者が 知っていることを前提に書かれているので それなしに読むと、どんな恐ろしいことが 緊迫した権力争いの裏で起きているのか ぴんと来ず、あまり面白くないかも しれません。 しかし、そこさえ押さえていれば、今どきの派手な アクション小説にはない歴史サスペンスの世界が 広がると思います。 シリーズも海外では既刊があるそうですし、今後の 彼女の人間的成長がたのしみです。 もし余裕があれば、当時のローマ市街の地図など ご覧になりながら、というのも一興かも?
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タイトルに惹かれて読み始めたものの、冗長で話がなかなか進まず、かつステレオタイプなアクションを盛り込もうとしている感じに馴染めなくて挫折しました。 翻訳ものは内容も大事ですが、翻訳者の手にかかっていることを改めて感じました。
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