辞書から消えたことわざ の商品レビュー
「辞書から消えた」のではなく「(現代の一般的な)辞書には載っていない」諺を収録。歌舞伎や落語といった古典芸能、明治・大正といった近代の文学作品、映画『男はつらいよ』シリーズでの寅さんの口上や啖呵等でしか触れる機会が無さそうな諺(地口のようなものも)を紹介している。 個人的に強烈...
「辞書から消えた」のではなく「(現代の一般的な)辞書には載っていない」諺を収録。歌舞伎や落語といった古典芸能、明治・大正といった近代の文学作品、映画『男はつらいよ』シリーズでの寅さんの口上や啖呵等でしか触れる機会が無さそうな諺(地口のようなものも)を紹介している。 個人的に強烈な印象を受けたものは「一人娘が妹を連れて井戸に飛び込んで焼け死ぬ」。あり得ないことの喩えらしいが、表現としてかなり手が込んでいる。
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「世間で使われているものを扱う」という理由で、辞書から消えていくことわざが増えています。しかし、ことわざというのは様々な人が、人生のあり方や社会生活を言葉にしたもの。消えてしまうことわざにもすばらしいものはたくさんあります。著者によって息を吹き込まれたことわざの中から、自分に響く...
「世間で使われているものを扱う」という理由で、辞書から消えていくことわざが増えています。しかし、ことわざというのは様々な人が、人生のあり方や社会生活を言葉にしたもの。消えてしまうことわざにもすばらしいものはたくさんあります。著者によって息を吹き込まれたことわざの中から、自分に響くものが見つかるかもしれません。
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歴史の襞に潜んだ眠れることわざに命をふきこむ。紹介されている半分以上はことわざ辞典からも消えてしまったもの。 這っても黒豆。枝を矯めて樹を枯らす。瓦の鏡に天の月を浮かべる。雪と欲は積もる程道を忘れる。香餌の下に死魚あり。言い出し、こき出し、笑いだし。聞いて千両、見て一両。酒呑童子...
歴史の襞に潜んだ眠れることわざに命をふきこむ。紹介されている半分以上はことわざ辞典からも消えてしまったもの。 這っても黒豆。枝を矯めて樹を枯らす。瓦の鏡に天の月を浮かべる。雪と欲は積もる程道を忘れる。香餌の下に死魚あり。言い出し、こき出し、笑いだし。聞いて千両、見て一両。酒呑童子と腕押し。朝比奈と首押し。雲を掴んで霞に腰をかける。西瓜と腰巻は赤いほどいい。花の下より鼻の下。二八月荒れ右衛門。木七竹八塀十郎。情けの酒より酒屋の酒。一人娘と春の日はくれそうでくれぬ。うどん蕎麦よりかかの傍。親馬鹿ちゃんりん蕎麦屋の風鈴・・・・・・・・・・ どれもこれもいい。無くすにはあまりにもったいない。
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ことわざは受け取る側が知ってるのを前提に使うもの。だからこそ、使用頻度が落ち辞書から消えたこれらのものも、結局この本(含む辞書以外の文献)を読んだ人同士でしか使えずに一般的な使用語彙として復活するのは難しいんだろうなと思ってしまった
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わたくしのささやかな雑食本棚なんぞをフォローしてくださっている方のレビューを拝見して、興味を持ちました。 ことわざやいろはカルタ研究の第1人者として知られる時田昌瑞さんの御著書。
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マイナーなことわざに焦点をあてて書いてある本。本書のことわざが言葉遊びみたいな笑えるものも多いが、ただの言葉遊びではなく、ちゃんと人生の教訓として意味のあるものだ。
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毎年、流行語大賞が生まれたり、若者言葉がそれまでと別の意味を持って定着したりと、言葉は生き物。 現代用語の基礎知識なぞで、ちょっと昔の流行語を見るのも楽しかったりするけれど、 これは もっと昔に使われていた、今は使われなくて、辞書からも姿を消したことわざを集めたもの。 人間の本性や、世の中の仕組みを、事象のたとえ、洒落た言い回し・・・ 1ページにだいだい1諺で読みやすく、解釈や同じような諺や出典も書いてある。ちょっとした空き時間などに読むにはちょうど良い。 仏教由来の言葉は衰退傾向か、とか 平安〜江戸・明治くらいには使われていたらしき言い回しは、現代でも通じるではないかと思いつつ、 でも兵法関係の言葉やらは 女子的にはそんなに心に響かないかと思ったり。 「踏まれた草にも花は咲く」 「腹は立て損、喧嘩は仕損」 「言うものは知らず、知るものは言わず」 「地獄にも仏あり」 「鰯の頭も仏になる」 ・・・残してもいいのでは?そんなに使ってない? 「
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時田さんの『岩波ことわざ辞典』は愛用の辞書の一つだし、『岩波いろはカルタ辞典』も秀逸だと思っていたので、本書を見たとき迷わず買った。ただ、「辞書から消えた」というタイトルはちょっとひっかかった。消えたものならとりあげることはないのではないかと。しかし、一読してみて、今使われていな...
時田さんの『岩波ことわざ辞典』は愛用の辞書の一つだし、『岩波いろはカルタ辞典』も秀逸だと思っていたので、本書を見たとき迷わず買った。ただ、「辞書から消えた」というタイトルはちょっとひっかかった。消えたものならとりあげることはないのではないかと。しかし、一読してみて、今使われていないことわざにも味わい深いものがたくさんあることを知った。たとえば、「丸くとも一角あれや人心」は人間丸いだけではいけないことを諫める。このあとには「あまり丸きは転びや好すきに」と続くらしい。また、「雪と欲はつもるほど道を忘れる」「尻に目薬」「親しき仲には垣を結え」等々。中国からのことわざもある。「疾風勁草を知る」は漢のころからあることわざで、ぼくは若いとき中国人の友人に教えてもらったことがある。その意味は、激しい風にされされてこそ強い草であることを知るというものだが、江戸期のことわざ集にはなく、吉田松陰になって現れるという。「人を知らんと思わばまずその友を見よ」もそうだ。「縁の下の力持ち」などはもとは無駄な行為の例えであったとか。これなどことわざの意味の変化としておもしろい。時田さんに感謝である。
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