タモリ学 の商品レビュー
好きな番組だった「ブラタモリ」が終了し、テレビでタモリさんを見る機会が減ってしまいました。そんなこともあり、以前より気になっていた本書を手にとってみました。 「笑っていいとも!」が終わった頃に書かれた内容ではあり、かなり前のものだと言えます。様々な発言などから、生い立ちや上京、デ...
好きな番組だった「ブラタモリ」が終了し、テレビでタモリさんを見る機会が減ってしまいました。そんなこともあり、以前より気になっていた本書を手にとってみました。 「笑っていいとも!」が終わった頃に書かれた内容ではあり、かなり前のものだと言えます。様々な発言などから、生い立ちや上京、デビュー時の状況など、これまで知らなかった内容も多く、興味深いものでした。普通の人が真似できるものではないと思いますが、一時代を作った偉大な人物に関する一冊を読むことはいい学びになりました。 ▼「(仕事を)しんどいと思ったことはないね。現場は楽しい」とタモリは言う。 横澤彪は「タケちゃん(ビートたけし)は遊びを仕事にしたんだ。タモリは仕事を遊びにした」と評した。 ▼「知的っていうのは、知識や教養あるのはもちろんだけど、それも自由に使いこなせるのが大事なんだ。(中略)知識や教養がありながら、それを自由に駆使し 遊んで回ってる、精神的に子供っぽい人。見てても、なんであんな年齢の人が、あんなに可愛いんだろうと思える人が最高に知的」 ▼同番組では、漢字の「幸」の起源についても触れている。かつて手に枷をはめる刑罰があり、それが転じて「幸」という字になった。なぜそれが「幸せ」なのかといえば、本当は死刑になるところを、命を落とさずにすんだからだという。 「だから『幸せ』というのは前の上を見るんじゃなくて、後ろの下を見ること。望むものじゃなくて感じるもの」 つまり「幸せ」とは、今ここにない「理想」の状態を追い求めることではなく、今ここにある現状に満足することであると言うのだ。 「反省」もしない、「目標」も立てないのは、タモリが単純な虚無主義だからではない。むしろ逆で、過去の自分を振り返ったり、将来のことを考えてしまいがちな自分を嫌というほど知っているからこそ、あえてその執着を捨てたのではないか。それは「過去」の自分にも「未来」の自分にも縛られていないということだ。「過去」からも「未来」からも自由になる。それは短絡的な絶望でも、安易な全肯定でもない。 「オレは何事においても期待していないところがある」 さまざまな紆余曲折を経たうえで、悲観もせず楽観もせず「これでいいのだ」とありのままに受け入れ、自由に生きる。それこそがタモリをタモリたらしめているのだ。その現在にしか希望はないのだ。 ▼かつてその特異性をもって「恐怖の密室芸」と称され、テレビには不向きな芸人と言われていたタモリ。しかしタモリの「現実を肯定する」よいう生き方は、「今の状況」を映すテレビというメディアの特性と合致した。 ▼タモリはいつだって、確固たる思想に裏打ちされたうえで、不毛で無意味な虚無の存在であり続けた。だから僕らは、無益で無意味なことが、かけがえのないものだということに気付くことができたのだ。 <目次> 序 タモリにとって『いいとも』終了とは何か 1 タモリにとって「偽善」とは何か 2 タモリにとって「アドリブ」とは何か 3 タモリにとって「意味」とは何か 4 タモリにとって「言葉」とは何か 5 タモリにとって「家族」とは何か 6 タモリにとって「他者」とは何か 7 タモリにとって「エロス」とは何か 8 タモリにとって「仕事」とは何か 9 タモリにとって「希望」とは何か 10 タモリにとって「タモリ」とは何か
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タモリとは何かと考察すれば、その答えは、するりと逃げていく。まるでうなぎのようなタモリという人。でも、この本は、それをわかった上で、タモリという人に真に近づこうとしている。
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芸能界史上最大の謎の人物タモリを膨大な出演記録、発言録から解き明かした 冒頭に「今夜は最高!」でタモリが語った言葉 『「会社の課長」「芸能人」「妻がいて子供が二人」といった現在の状況を”横軸”とし 「親は医者」「叔父が不動産業界にいる」という周囲の人間が持つ”事実”を縦軸にする...
芸能界史上最大の謎の人物タモリを膨大な出演記録、発言録から解き明かした 冒頭に「今夜は最高!」でタモリが語った言葉 『「会社の課長」「芸能人」「妻がいて子供が二人」といった現在の状況を”横軸”とし 「親は医者」「叔父が不動産業界にいる」という周囲の人間が持つ”事実”を縦軸にする この横軸と縦軸が交差したものが「自分」であるとタモリはいう』 自分自身がただ存在しているわけではなく周囲との関係で規定されていく 時間も前後関係により決定されるが「これでいいのだ」と思うことで陰の世界から開放され明るくなるのだ
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笑っていいともの司会者、タモリ倶楽部、ブラタモリミュージックステーションの司会者。 唯一無二の芸能人。誰も目指せないタレントとして未だに君臨している。その理由は知性のある、何もしなさにあるのだろうか。幼稚園でお遊戯している園児をみて、こんな子供っぽいことやってられるかと言って、入...
笑っていいともの司会者、タモリ倶楽部、ブラタモリミュージックステーションの司会者。 唯一無二の芸能人。誰も目指せないタレントとして未だに君臨している。その理由は知性のある、何もしなさにあるのだろうか。幼稚園でお遊戯している園児をみて、こんな子供っぽいことやってられるかと言って、入園拒否したところからタモリの原型がある。
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好きな言葉は「適当」 座右の銘は「現状維持」 コツはね、はりきらないこと。 やる気のある奴は去れ。 真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ! タモリさんの考え方は自分と真逆なのでとても面白いし、よく人から頑張りすぎなんだよ、と言われる力み体質なのでとても参考にしたい。 努力すること...
好きな言葉は「適当」 座右の銘は「現状維持」 コツはね、はりきらないこと。 やる気のある奴は去れ。 真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ! タモリさんの考え方は自分と真逆なのでとても面白いし、よく人から頑張りすぎなんだよ、と言われる力み体質なのでとても参考にしたい。 努力することや一生懸命頑張ることも 素晴らしいと思うが、根性論や論理的思考ばかりではなく、人にも自分にも期待せず、現状を受け入れて刹那を生きる生き方は、肩の力を抜いてどこか余裕があるような、心が豊かになるような、、 タモリさんの思考は面白いと思ったし、自分にはない発想だと思った。 「人見知り」を自分の中ではネガティブに捉えていたので、「人見知りは才能」と言うタモリさんの言葉に救われたし、敢えて目標なんて持たない、という生き方はできるようで簡単にできないので、羨ましいなと思った。
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タモリの自分も他人も期待しない絶望力は、共感できる部分が多々ある。目的も計画も持たない。刹那的に生きる。何事も楽しむのが知性的である。
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最近著者を知り、この作品を読むことができた。 著者のすばらしいところは透明な批評性。後書きにもある通り、視聴者としての距離感を貫き、彼岸からみた事実の積み上げだけで、タモリの哲学を表出せしめる。だから、くどくないし、破綻しない。 かつて、ナンシー関が陣取っていたTVの前の特等席は...
最近著者を知り、この作品を読むことができた。 著者のすばらしいところは透明な批評性。後書きにもある通り、視聴者としての距離感を貫き、彼岸からみた事実の積み上げだけで、タモリの哲学を表出せしめる。だから、くどくないし、破綻しない。 かつて、ナンシー関が陣取っていたTVの前の特等席は、戸部田誠が座る事になったのか。他の作品も期待したい。
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心に響くフレーズ ① 基本的な俺の姿勢は、若い奴らは若い奴らでやればいい。関わり合いなんて必要ない。 ② コツは、はりきらないこと。感情を入れれば入れるほど客は引く。やる気のあるやつは去れ。 ③ 人間にとって一番恥ずかしいのは、立派になるということです。 ④ 自分にも他人...
心に響くフレーズ ① 基本的な俺の姿勢は、若い奴らは若い奴らでやればいい。関わり合いなんて必要ない。 ② コツは、はりきらないこと。感情を入れれば入れるほど客は引く。やる気のあるやつは去れ。 ③ 人間にとって一番恥ずかしいのは、立派になるということです。 ④ 自分にも他人にも期待しない。
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いいとも終了後に発売されたタモリ哲学をまとめた本。 テレビのスキマさんは本当に綿密な調査。 タモさんの仕事を遊びにする感覚は日本人全員に普及した方がいいのではないか??
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類書とほぼ同じ内容(フェイクドキュメントだけ知らなかった)なので『タモリ学』と名付けるならもっと掘り下げてほしかったなー
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