江川泰一郎 英文法の基礎 の商品レビュー
学校英文法のバイブル的な存在である『英文法解説』の著者江川先生による、1956年初版の『英文法の基礎』の復刊。元予備校の先生が解説をつけている。辞書的な解説書ではなく、高校生向け、というか中2以上向けに、エッセンスだけを拾って解説した通読する文法書。 『英文法解説』を通読しろ...
学校英文法のバイブル的な存在である『英文法解説』の著者江川先生による、1956年初版の『英文法の基礎』の復刊。元予備校の先生が解説をつけている。辞書的な解説書ではなく、高校生向け、というか中2以上向けに、エッセンスだけを拾って解説した通読する文法書。 『英文法解説』を通読しろ、って大学の時に言われて以来、結局依然通読できてないという後ろめたさもあり、ついこの前の土日に本屋で見つけて、これくらいは通読しようと思って買った。内容がどうのこうの、ということではなく、英語の教師として、「事実は(英語学上は、言語学的には、細かく言えば…)こうだけれども、それが分かった上で、生徒にはこう教える」という例が勉強できると思う。例えば、副詞の位置について、「(2)動詞を修飾する副詞は文の一番終わりに置く」とまとめ、「実はみなさんの英語の勉強がだんだん進んでくると、(2)の原則にあてはまらない例に出会うことがよくあると思います。(中略)しかし、今のみなさんとしては、上の(2)の原則をそのままおぼえておくほうが賢明でしょう。なぜかと言うと、(2)についてのこまかい事柄を調べるくらいなら、ほかにもっと大事なことがたくさんあるからです。」(p.128)などに見られる態度は、英語の教師としてよくよく分かっていないといけないと思う。「教えすぎるな」と大学の時も言われた気がする。 また、変に理屈をこねまわさずに、例えば動詞の後に不定詞が続くか動名詞が続くかということに対して「どうしてそういうことになるかという理由は、はっきりと説明することはできません。ただ、そういうことがあることだけはぜひおぼえておいていただきたいのです」(p.190)とか、「なぜ目的語の関係代名詞が省略されるのかという疑問を持たれる人もいることと思いますが、その疑問に対してはお答えできません。そういう英語の習慣であると考えるより仕方がないのです。」(p.233)など、あえて説明しない、分からないと言うというのもかえって新鮮で、信頼できる感じがした。(14/04/15)
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