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日本の近代(8) の商品レビュー

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2019/03/27

1 「戦後」の終わりの始まり(沖縄返還と戦後への訣別;冷戦終焉への胎動;新しい大国像を求めて) 2 経済大国日本への挑戦(嵐に突入する戦後的国際経済体制;第三世界の挑戦;摩擦と調和の間) 3 高度成長のあとにくるもの(一九七〇年代の日本人のプロフィール;安定と成長との間;日本列島...

1 「戦後」の終わりの始まり(沖縄返還と戦後への訣別;冷戦終焉への胎動;新しい大国像を求めて) 2 経済大国日本への挑戦(嵐に突入する戦後的国際経済体制;第三世界の挑戦;摩擦と調和の間) 3 高度成長のあとにくるもの(一九七〇年代の日本人のプロフィール;安定と成長との間;日本列島は改造されたか?;働く人々の現場で) 4 急転する国内政治(ポスト佐藤―福田赳夫と田中角栄;ロッキードの影で―田中角栄と三木武夫;微妙な協調関係―福田赳夫と大平正芳;破局へ―福田赳夫と大平正芳) 5 胎動するアジア・太平洋の時代と日本(不安定な二つの半島―朝鮮とインドシナ;日米中ソのパワーゲーム;環太平洋構想と新しいアジア;強い円、それでも弱い日本?) エピローグ 二十一世紀への序奏 著者:渡辺昭夫(1932-、千葉市、国際政治学)

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2019/01/06

2014.7記。 戦後の通史的なものを、と思ってシリーズものの最終巻から読むことにした。本書は佐藤内閣の沖縄返還問題から始まる。 池田内閣の「所得倍増」を経て、日本は初めて「経済外交」という理念を本格的に掲げることになった。一見当たり前の言葉に思えるが、思えば戦前は経済のブロ...

2014.7記。 戦後の通史的なものを、と思ってシリーズものの最終巻から読むことにした。本書は佐藤内閣の沖縄返還問題から始まる。 池田内閣の「所得倍増」を経て、日本は初めて「経済外交」という理念を本格的に掲げることになった。一見当たり前の言葉に思えるが、思えば戦前は経済のブロック化と戦争が中心だし、戦後はしばらく外交を奪われていて、60年代は米国の庇護の下でひたすら成長していたわけだから、本書に従えば「経済を武器に国際社会に影響力を及ぼそう」なんて発想自体が実は佐藤内閣前後からなのだ。その当否はどうあれ、70年代日本の国際社会における「必死さ」はなかなか感慨深いものがある。 エピソード的にも、ときどき「へえ」と思う、現在との外形的類似が70年代には出てくる。例えば、日中国交回復交渉と米国との繊維貿易交渉との関係。対中外交への米国のサポートと引き換えに通商面での妥協がなされる、というような解釈は、最近でもTPP関連で多くの論者が採用していた。 自分自身の、このあたりのリアルタイムでのおぼろげな記憶は「大平総理の国葬」くらいか・・・本シリーズの編者の顔ぶれはなかなかの「保守」ぶりだから、人によって感じ方は違うかもしれないが、ひととおり何があったのかをさらっておくことの有益性は損なわれない。読み応えのある一冊です。

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