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アダム・スミスの誤算(上) の商品レビュー

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2014/06/15

アダム・スミスは、グローバリズムの始祖ではなく、「事物の自然な運行の観点」から、重商主義を批判した。 それは、「人間の自然な性向」からすると、農業、国内経済、外国商業の順で資本が投下されるはずであり、それが国の経済の豊かさに直結する。それが、「見えざる手」である。 それは分かっ...

アダム・スミスは、グローバリズムの始祖ではなく、「事物の自然な運行の観点」から、重商主義を批判した。 それは、「人間の自然な性向」からすると、農業、国内経済、外国商業の順で資本が投下されるはずであり、それが国の経済の豊かさに直結する。それが、「見えざる手」である。 それは分かったが、しかし、それが現在のグローバリズムに対する警鐘であったとしても、なにか有効な処方箋に繋がるものが導き出せるのか。 本書の中ではそれは垣間見ることができなかった。それがなければ、ただただアダム・スミスをことさらにグローバリズムの「教祖」的立場に置こうとするグローバリズムの信者たちと同じ土俵に乗っているだけで、有効な批判とはなり得ない。

Posted byブクログ