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江戸町人文化 の商品レビュー

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2016/10/26

江戸の雰囲気を総合的に楽しめる、コンピレーション漫画。 コマ割りも多く多数のページ数でドラマを演出するのが主流だと思うが、少ないコマ数、ページ数で深い話を表現する短編小説のような、力のある漫画が読んでみたい。そんな時、この漫画集はおすすめです。 「楠勝平」 この人の漫画を読んで...

江戸の雰囲気を総合的に楽しめる、コンピレーション漫画。 コマ割りも多く多数のページ数でドラマを演出するのが主流だと思うが、少ないコマ数、ページ数で深い話を表現する短編小説のような、力のある漫画が読んでみたい。そんな時、この漫画集はおすすめです。 「楠勝平」 この人の漫画を読んでみたく、この本を選びました。 いかにも全盛期のガロにのっていそうな(実際はCOMのようですが)、文学のたたずまい。行間があるというか詩情があるというか。当たりでした。感覚としてはつげ義春のもう少しウェットな感じ。(現代でもこのような文学的な漫画はでてきてもよいと思うのだけど、存在するのでしょうか?商業的には難しいのか?) 「杉浦茂」 絵だけしか知らず、漫画をまともに読んだことなかったが、初めて読んで、すごい力があることに驚いた。かなり貫録のある漫画。さすが手塚のライバルだっただけある。安定した描線。リキテンスタインに素材にしてもらえば、ポップアートになれたでしょう。なによりも、登場人物たちの動じない牧歌的な骨太さ、奇天烈とんちきでいて、楽天的にぐいぐい進む。善意に見える部分がある意味、本当にそこら辺にいたら、悪意にしかならないのでは。と思えるロック的なカッコよさ。 「手塚治虫」 ドラマチックさを狙いこれでもかと主人公を過酷な道に誘う。ある意味王道のストーリー。悪者と善者がはっきりと分かれるコテコテのストーリーだが、弱者(百姓)が強者(殿様)に、頑張って抵抗するというところ、踊りの中にある、庶民の批判精神というテーマにやはり惹かれてしまう。子供向け?なのであればこれでもよいが、大人向け(最後の方の手塚治虫)であれば、もう少し複雑なストーリーにしただろう。

Posted byブクログ