特命人妻 捕らわれのオフィス 新装版 の商品レビュー
この作者には珍しい凌辱作品だが……
2008年に出ていた同タイトルの<新装版>ということで加筆・修正に関する記述も見当たらないので表紙カバーイラストを新しくしただけの、事実上の再出版作品ではないかと思われる。まさにカバーという装いを新たにしました、ということか。元本を所有している場合は金本進絵師の筆による描き下ろし...
2008年に出ていた同タイトルの<新装版>ということで加筆・修正に関する記述も見当たらないので表紙カバーイラストを新しくしただけの、事実上の再出版作品ではないかと思われる。まさにカバーという装いを新たにしました、ということか。元本を所有している場合は金本進絵師の筆による描き下ろしの表紙がゲットできるのみとなってしまう可能性が高く注意を要する。 さらに申せば、この作者には珍しい凌辱作品が何故に<新装版>として再登場となったのか。その真意は不明である。そこまでの人気が当時はあったのだろうと推測するのが一般的だが、本作を読み終えての個人的な感想は「?」である。 社内に蠢く権謀術数と不正をベースにしたオフィス凌辱に翻弄され、様々な男達に弄ばれ、淫らに堕ちていく人妻秘書ヒロイン(31歳)という設定は興味を誘うもので良かったのだが、特命の割に黒幕があっさり判明するストーリー展開がやや一本調子で面白味に欠けるのと、ダークなフィクションを描こうとの意図があったとはいえ結末には正直どうかという心持ちが残ること。そして肝心の凌辱的官能描写ではヒロインに芽生える劣情への心理的抵抗が(とりわけ中盤以降で)少々弱いと感じるところでぐっとくるものが乏しかった印象である。玩具責めも多岐に渡って行われているが、その辺りのハマり具合がよろしくないため単にタチの悪いイタズラにしか見えてこないのも残念。 また、少なくとも当時の作者による官能描写には説明過多なところがあって、それが時には興醒めを招いてもいたのだが、路線が異なる本作においてもそれはあまり変わらなかったようである。
DSK
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