声に出して読みたい古事記 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
禊によって洗い流せばいいという、日本人の柔軟な生き方を支える原点になっている 私たちが生きていることを肯定して喜ぶ、その姿勢こそ重要で、そこに神が宿る 日本人の起源について書かれた本によると、日本人は遺伝子的にものすごく多様な民族だそうです 「古事記」の大きな目的は、神々の系譜、序列をはっきりさせることです 太くて高い柱は天と地をつなぐものであり、天に届かんばかりの権威の象徴でもあります
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明治大学文学部教授の齋藤孝さんが書いた『声に出して読みたい~』シリーズの古事記バージョン。 戦後、神話へのアレルギーや国家神道との結びつきへの懸念から敬遠されていたけど、「稲羽の素兎(因幡の白兎)」や「ヤマタノオロチ(八俣の大蛇)」の話は教科書にのっていたほど有名な話で、古代日...
明治大学文学部教授の齋藤孝さんが書いた『声に出して読みたい~』シリーズの古事記バージョン。 戦後、神話へのアレルギーや国家神道との結びつきへの懸念から敬遠されていたけど、「稲羽の素兎(因幡の白兎)」や「ヤマタノオロチ(八俣の大蛇)」の話は教科書にのっていたほど有名な話で、古代日本人がどういう感覚をもっていたのか、どういうふうに自然と向き合っていたのかが話の内容からわかるし、原文を声に出して読むことによって、その時代の言葉の流れの美しさを感じたり、使われている漢字ひとつをとっても意味を含ませてあったりと、現代語訳 だけでは感じとれない日本人の感性を感じられた。 稗田阿礼(ひえだのあれ)という謎の人物によって語られたものを太安萬侶(おおのやすまろ)によって漢字表記された『古事記』は、最初のほうは神話っぽくて、神様の世界の話から神産み、国産み、舞台は高天の原や黄泉の国、葦原の中つ国など、天、地上、地下の世界観にわけて物語は進んでいく。出雲の話に多くをさくころには、神様の世界というより、どんどん人間ぽくなってきて、武士が勢力をもつ以前の天皇支配の時代を感じることができる。 神話の中に登場する神様でも、産まれた子どもに障害があるからと海に流してしまったり、権力争いをしたり、弟の暴れっぷりを悲しんで引きこもったり、兄弟喧嘩したり、離婚したり、最愛の人を亡くしたことに悲しんで死者の世界である黄泉の国に行って逃げ帰ってきたり、到底完璧、全知全能とは程遠い人間味を感じる。 昨今の歴史ブームや神社ブーム、日本人としての精神を大切にするようなブームは、そんな神話や神道から遠ざかっていた時代があったからこそ、自分たちの起源、日本人のルーツを知りたいという欲求からきているんだと思う。戦前までは、日本人の心の拠り所として活躍していた日本神話を知ることで、日本人の精神の源にふれ、その精神を上手に活用することで、現在を生きる人のエネルギーにする必要があると感じた。
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自分の中でちょっとした古代史ブームです。古事記は神話の世界から天皇家の系譜につながる歴史書でもあると思います。特に出雲神話の大国主命の国譲りは当時出雲の支配者であった豪族とアマテラスオオミカミとの覇権争いを伝えていると言われています。読み方を変えると色々な事が見えてくる古事記です...
自分の中でちょっとした古代史ブームです。古事記は神話の世界から天皇家の系譜につながる歴史書でもあると思います。特に出雲神話の大国主命の国譲りは当時出雲の支配者であった豪族とアマテラスオオミカミとの覇権争いを伝えていると言われています。読み方を変えると色々な事が見えてくる古事記ですが、読みやすいものがなく探していました。齋藤先生の口語訳は読みやすいです。
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