石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多少の書き方の偏りはあるけれど、読んでいてやはりこの検証委員会の行ったことは「お役所仕事的」だと感じる。 「なぜ他の学校では助かった人がたくさんいるのに、大川小のみこのような被害になったのか」 それを明らかにしたいと考えている人に対してこの検証結果はひどいと思う。そしてこつこつと情報を集めてきた遺族に対する対応。もう少し話し合いながら遺族も納得する形で進められなかったのか。読みながらため息が出てしまった。
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遺族サイドで書かれているので、多少のバイアスはあるが、whatが知りたい遺族とwhyを解明したい委員会とのズレがある。具体化と一般論化の方向性のズレというか。大人の生存者はA教諭1名しかいないし、極限状態における記憶が曖昧になってつじつまが合わなくなるのは仕方のない事だろう。この...
遺族サイドで書かれているので、多少のバイアスはあるが、whatが知りたい遺族とwhyを解明したい委員会とのズレがある。具体化と一般論化の方向性のズレというか。大人の生存者はA教諭1名しかいないし、極限状態における記憶が曖昧になってつじつまが合わなくなるのは仕方のない事だろう。この1人の記憶・証言によって真相究明しようとする所にそもそも無理がある。 災害の結果はタラレバになってしまう。津波が想定内で所定の避難場所で助かっていたら、逆に山に逃げて木が倒れて多数の死者が出ていたら、結局学校サイドは責められる。要するに結果責任なので、死なせた事そのものが問題であり、その原因究明により何かが変わるわけでもない。が、ひとつの事例として検証する意味はあるのだろう。 本書のキモはp168の柳田邦男の指摘につきると思う。
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