深海のアトム の商品レビュー

服部真澄(著者)

2015/08/24

面白くなりそうな話なのですが、最終的にはボリュームの都合なのか、もう少し盛り込めたであろうエピソードを残して消化不良の終章でした。
残念。

2015/05/17

いつもながら寝床本として数ヶ月かけて読んだ。
スリリングな展開にドキドキしながら楽しめた。
いつもながら最後がバタバタバタと謎解きがされてしまうところに少し物足りなさを感じてしまうが、スケールが大きいので収束させるためにはそうなってしまうのかもしれない。

2014/10/17

ある書評で高評価、内容も東日本大震災をモチーフにしている、そして以前初めて読んだこの著者の作品のスケール感がすごくて圧倒されたことも思い出し、期待を胸に手に取りました。

のですが、読み始めてすぐにこれは自分の肌に合わないと感じ。…でもやはりスケール感があって読み応えがありそうな感じはしたので何とか読みこなそうと悪戦苦闘。流しながら何とか読み終えましたが…やはり読み終えても自分にはとうとう馴染まなかったという感でいっぱいでした。

何だろう、問題意識が高く科学的知識や現状についてもよく調べて書いているんだなということはよくわかるのですが、どうも内容に入り込めなかった。
登場人物の誰にも好感も持てなかったし、世界観が違いするぎると言うのか…。後半で明かされる何人かの抱えている秘密についても「そうくるのか」というのが良い意味での驚きではなくて、鼻につくというか反則感があるというか…。

おそらく、人によってはすごくいろんな読み方で楽しめるのでしょうが、私は全くだめでした。
以前読んだ作品が自分としては「絶賛」くらい良かったので（ちなみに「天の方舟」という作品）今回は残念でした。

2014/10/04

東日本大震災と原発の事故を題材にとりながら、そのストーリーは現在のに本当は違う方向へ。
物語的にハッピーエンドで終わらないのか、どんでん返しがあるのか、最後の1ページまで分からない手に汗握る、と言うにふさわしい小説でした。

2014/09/13

キタヒロ教授とは一体何だったのか…
話の初めと終わりをこの人にあてている割りに、
この人何したっけ？という感じ。

流して書いたような印象があり、もっと物語の見せ場が欲しかった。

2014/07/31

　この小説を真面目に読もうとする気持ちが無い人たちが、再稼働とか言っているのだろう。
　全てを無化する魔法の存在を、科学の力の中に信じよう。
　それにしても、原発がなくなった場合、全ての電力会社は倒産状態に陥るというのは、とてもうなずけることだ。

2014/06/17

原発利権に群がる原子力ムラの醜い姿と、原発事故、東日本大震災をモチーフにした、ＳＦ的小説。
設定は南三陸および津軽半島あたりを想定した架空の国。
原発事故、東日本大震災を想像させるシーンはでてくるが、どれもあまり現実感はない。そのため嫌な感じは受けないが、作品の世界に入り込める感じも無い。
昔、テレビで放映していた少年ドラマシリーズのような、どこか現実とは違う世界の物語だというのを、いつも意識させられているような感じ。
とはいえ、そこそこの長編を一気に読めたのだから、それなりに面白くはあったんだろうけど．．．

2014/05/28

東日本大震災をフィクションで扱うために、別の地名を当てはめて物語を始めているので、取っ付きが非常に悪く、最初がわかりにくい、後半からああ、東北なのだなということと震災と原発と核のゴミが絡んできて、ああ、そういうことなのかとわかるのだが、最初は日本ではあるものの別の国があるフィクションかと誤解するだろう。また、話と登場人物も盛り込み過ぎなのもわかりにく、ついでに言うと主人公もわからない。アトムとあるので、科学者が主人公かと思われるのだが、単なる原子力の隠喩であり、また、科学者が発見する未来につながる技術も物語の中で起伏を持って語られるのではなく、最初からあたためていたというのも唐突感が残る。魚の冷凍以外の保管技術も全く伏線がない。

2014/04/22

「エクサバイト」で大いに落胆して以来久々の服部真澄は、なかなかスケールの大きなアクションミステリでした。ただ、先の大震災を思い出させる展開には、個人的に疑問を感じます。まだまだフィクションで扱っていいテーマではないと思いますゆえ。とは言え、面白さに間違いはないので★四つ。