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スープの国のお姫様 の商品レビュー

3.3

29件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2016/04/26

 パンチの効かない良い話集。スープだけの食事みたいに物足りない。でもスープ作りの描写は良かった。私でも作れそう。スープを作りながら、巻末の参考文献を読みたい。  著者が現役の料理人だそうで、料理人のあるあるネタ的な話が興味深かった。辛抱強く推敲を重ねていら、もっと完成度の高い作...

 パンチの効かない良い話集。スープだけの食事みたいに物足りない。でもスープ作りの描写は良かった。私でも作れそう。スープを作りながら、巻末の参考文献を読みたい。  著者が現役の料理人だそうで、料理人のあるあるネタ的な話が興味深かった。辛抱強く推敲を重ねていら、もっと完成度の高い作品になりそうなのに。普段ラノベに親しんでいる中高生が、ちょっと背伸びをして読むには良さそうな本。  この小説が書かれた目的は、「ストーリーを形にする」ことだったのだろうな。登場人物は著者の中にあるストーリーを形にするための駒でしかないから、あんまり魅力がないんだ。青年×少女は好物なんだけど、この本の青年少女は萌えなかった…。むしろ、大丈夫かこのロリコン野郎って、ちょっとうすら寒くなっちゃった。

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2016/02/09

元溶離人の「僕」は、奇妙な仕事を紹介される。 それは、古い屋敷で一人暮らしの 恒例のマダムのために毎晩一杯のスープを作ること。 報酬は破格だったが…。 千和との関係がステキだった。

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2015/08/10
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主人公と勤め先のマダムの孫娘との交流。 淡々としていて、 結構、いいなぁと思ったけど、 終わり方がもう少し、と。 続きが気になるけど、続かないんだよね。

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2015/06/09

スープにまつわる小さなミステリー。食にまつわる本が読みたくなった。 2015.6.8

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2015/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

元カノに紹介されたのは、古い洋館のコックの仕事だった。 ”夜8時きっかりに一杯のスープを出すこと” それが業務内容のすべてだった。 かつて有名店でシェフをしていた僕にとって おいしいスープを作ることは造作もないが ここでは、おいしいスープで「想いを満たす」ことが要求さる。 僕は、マダムの孫である千和と知恵を出し合い、 マダムやそのご友人の「想い」を満足させる 最高の一杯を作り上げていく…。 ライトノベルのような軽さ。さらさら読めます。 重厚感のある物語が好きなので、ちょっと物足りなかった。 スープが食べたくなるし、 なにより、相手のために丁寧に準備をすることは素敵だなと感じました。 相手のことを考えて準備をする時間に比例して、思いは届くと思うのです。 千和のキャラクター設定がややブレていて そこがちょっと残念でした。 あと記憶力が抜群にいい理由とかは明かさないのね。笑 何かの伏線かと思ったけど違った。 誰しも、思い出の味はあると思います。 主人公が母親と最後に食べたスープように。 私にとってのそれは、祖母が作る蕪の糠漬けかな。 それぞれの「特別の味」は その人の人生が凝縮されているのかもしれない。

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2015/03/15

料理に関わる物語とか、エピソードとか、歴史とかおもしろいなぁ。 私食いしん坊だから、こういう話好きだな笑 音楽や絵画と深く関わっているのも素敵

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2015/03/07

ある日突然「料理が出てくる小説が読みたい」と思い立ってから数週間、図書室にてソレっぽいものをお借りすること3冊目にして遂に「これだ!」と感じられる作品に出会いました。それが本書『スープの国のお姫様』であります。 元料理人の「僕」と、料理本マニアの少女。海の近くに建つ古い屋敷で出...

ある日突然「料理が出てくる小説が読みたい」と思い立ってから数週間、図書室にてソレっぽいものをお借りすること3冊目にして遂に「これだ!」と感じられる作品に出会いました。それが本書『スープの国のお姫様』であります。 元料理人の「僕」と、料理本マニアの少女。海の近くに建つ古い屋敷で出会った2人が、1皿のスープを通して自分の過去を見つめ直していく物語。 著者が現役の料理人、という点にも惹かれて手に取ったのですが、作中に登場する料理のお味の表現がまあ素敵。「甘い」とか「しょっぱい」みたいな言葉は使わないわけですよ。そういう時の比喩のボキャブラリーって、やっぱり料理に携わってきた経験に裏打ちされているんだなあ、と。 よく受験国語で”情景描写は心理描写”とか言いますけど、この作品は”味覚描写は心理描写”という感じ(いや、もちろん普通の情景描写も素晴らしかったです)。 また、物語の要所要所で少女が披露する、料理に関する知識も興味深い。さりげなく引用元も言ってくれるので、ついついそちらの方にも手を伸ばしたくなります。 他の方のレビューにもありましたが、まさにフランス料理版『ビブリア古書堂』という感じ。1つの作品からどんどん派生させて読みたいタイプの人には堪らんのでは。 1冊目は「読んでみたらそれほど料理関係なかった」。 2冊目は「料理はしてるけどそれ以上に主人公カップルがチュッチュチュッチュしてて辟易した」。 その経験を経ての3冊目『スープの国のお姫様』は、作品における料理の比重も申し分なし。ミステリー要素を特に期待していなかった私には、実にいい塩梅でした。 ~MENU~ プロローグ 1 ポタージュ・ボンファム 2 ビールのスープ 3 ロートレックのスープ 4 偽ウミガメのスープ 5 せかい1おいしいスープ エピローグ

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2015/02/15

じっくりと手間隙を掛けた料理を食べたくなる。ミステリファンの人はミステリはあくまでアクセントとして読むのが正しい。

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2015/02/08

良いお話でした。 こういうのを読むとちゃんと料理しなきゃとか、台所きれいにしとかなきゃとか自分の食に対する姿勢を反省させられます。はい。

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2014/12/16

主人公の調理人の淡々とした雰囲気がよかったです。 心理描写に唸りました。たとえば、 “老人は遠くを見るような視線で空中の一点を見つめていた。老人もまた、失われてしま った日々に想いを馳せているようだった。 「スープを口に含んだ瞬間、昔のことを思い出しました。嬉しいこと、辛いこと、...

主人公の調理人の淡々とした雰囲気がよかったです。 心理描写に唸りました。たとえば、 “老人は遠くを見るような視線で空中の一点を見つめていた。老人もまた、失われてしま った日々に想いを馳せているようだった。 「スープを口に含んだ瞬間、昔のことを思い出しました。嬉しいこと、辛いこと、哀しかったこと、寂しいこと、それらを順番に…」” この、思い出す順番はかなり推敲したのじゃないかな、うーむ。 ・「余計なお世話かもしれませんが、年配者のちょっとしたアドヴァイスだと思って聞いてください。こういう時は、そもそものはじまりから考えることです」 「そもそものはじまり?」 「つまり、ポタージュ・ボンファムとは一体なにか、というところを紐解くことです。根源的なところから考えはじめるのです。答えは意外にシンプルだったりします。あれやこれや材料を足しても、お客様の望む味にはなりません」 キサキは人差し指を立てた。この男の動作はいつもどこか芝居めいたところがある。 ・老人は遠くを見るような視線で空中の一点を見つめていた。老人もまた、失われてしま った日々に想いを馳せているようだった。 「スープを口に含んだ瞬間、昔のことを思い出しました。嬉しいこと、辛いこと、哀しかったこと、寂しいこと、それらを順番に…」 ・「そんなの変ですよ。友達なんて、頼まれてなるものじゃない」 キサキは目を細め、そのかたちの良い鼻筋を指先でなぞった。『どうでしょうか』とその表情は語っているように見えて。それから彼は流しで手を洗った。彼は一日に何度か、丁寧に手を洗う。それがとても大切なことのように。 ・口論してみたって溝は埋まらない。こういう時、言葉は基本的には無力で、事態をややこしくするだけだ。 ・「昔、車のなかで積み上げた容器が崩れて、料理が台無しになったことがあったな」 「その時はどうしたの ?」 「真空パックにしてあった料理はいいんだけど、そうじゃないのは食べられないから、近くのスーパーで材料を買い込んで、一から新しく料理したんだ。なにつくったのかさっぱりおぼえてないくらい大変だった」 そういうトラブルのなかでつくった料理のほうがかえって評判が良かったりするのが、不思議なところだ。 ・「あの鳥たちは君が飼っているのかい?」 僕は彼に訊ねたが、返事はなかった。本当に聞きたいことでもなかったので、それ以上訊ねたりはしなかった。彼の様子を見ていると、なんとなく自分の子どもの頃を思い出した。自分にもこういう時があった。世界と自分とのあいだの距離の取り方がよくわからなくて、戸惑っていた頃だ。 ・「大人になるってことはさ、罪を 重ねることなんだ。僕らは命を奪わなければ生きていけない。菜食主義者だって、その罪からは逃れられない。そして、罪を償う方法は、罰を受けるだけじゃない。死んでいったものたちのためにできることは、ちゃんと生きることだ――なんて言うと教科書に書いてあるような説教になっちゃうけどさ」 僕は誤魔化すように笑ってみた。真面目に話すのは、難しい。 ・「真剣に話したから恥ずかしいんでしょ?たまには得意じゃないこともしたほうがいいわよ。嫌なことを毎日ふたつすることは魂の健康のためにいい、って誰かも言っているんでしょ?」 ・「僕だって、わかっているよ。でも、もしもって考えてしまうんだ」 「もしも」彼女は空中に書かれた単語を読むように言った。「もしもっ て、なんのためにあるのか、よくわからない不思議な言葉よね。こういう気持ちって、どうしてあるのかしら。ただ人を苦しめるだけじゃない。そんな風に考えたって、今はなんにも変わらないのに」 ・「腹は立たないの?」 「慣れてるからね」と僕は言った。「知識を認めてもらいたかったり、文句をつけずにはいられない性質だったり、ああいうお客さんは一定の割合でいる」 銅鍋を磨きながら、僕は話をした。 「君もいつか男性とレストランででデートこともあるだろ。そんな時に思い出すといい。客として訪れた店のスタッフへの態度で、その人の本性がわかるから。僕らみたいなスタッフに対して、相手の男性が偉そうにしたり、なにかを頼む口調がぞんざいだったりしたら要注意だよ。君 に対してどれだけ紳士的にふるまっていても、それがやつの本性だから。付き合いはじめてからガッカリしないですむ」 ・その部屋に足を踏み入れた瞬間、はじめに満ちてきたのは虚脱感だった。 ガラスから夕陽が差し込んで、部屋をオレンジ色に染めていた。

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