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大西祝選集(Ⅱ) の商品レビュー

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2014/06/16
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小坂国継編『大西祝選集II 評論篇』岩波文庫、読了。カントの批判主義を根底に、自主独立の精神こそ学問・文化展開の基礎と考えた大西祝の評論集。哲学、教育、宗教、倫理、文学、詩歌、政治社会に関する35編を収録。時代を領導した「批判の精神」がいかんなく発揮されている。 「私見一束」、「当今の衝突論」では、井上哲治郎、元良勇次郎らの「教育と宗教の衝突」を取り上げる。内村不敬事件は衝突の回避へと論調を誘うが、大西は対立するものはむしろ徹底的に衝突させ、「理性の権威」にその裁定を仰ぐべきと主張。ある意味で突き抜けている。 キリスト教と国家主義教育の衝突を大西は宗教と教育の衝突とみない。それは宗教における旧勢力と新勢力の衝突である。再渡来間もないキリスト教が文化内受肉するとともに、その刺激は、惰眠をむさぼってきた旧来の日本の宗教の変化をもたらすだろうと示唆する。

Posted byブクログ