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人間の尊厳と八〇〇メートル の商品レビュー

3.1

9件のお客様レビュー

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2018/01/15

【】 表題含む5編を収録の短編集。 やっぱり、表題作が素晴らしい。 ある男が説明し始める、「人間の尊厳のため」に「800mを今から走らなければならない」理由が可笑しく面白く、それなら俺もとひと乗って、いやひとっ走りしようかと思ってしまう。 2題目、『北欧二題』。 こういうの、好...

【】 表題含む5編を収録の短編集。 やっぱり、表題作が素晴らしい。 ある男が説明し始める、「人間の尊厳のため」に「800mを今から走らなければならない」理由が可笑しく面白く、それなら俺もとひと乗って、いやひとっ走りしようかと思ってしまう。 2題目、『北欧二題』。 こういうの、好きだ。 話ももちろん、その「単語」表現。 旅に関する話としては、最後の『蜜月旅行』にも通じていて、どちらもミステリ面でも、人間四方山話としても好き。 『特別警戒態勢』も、『完全犯罪あるいは善人の見えない牙』も、ホワイダニットとして面白い。 「完全〜」はホワイイトハプン、だけれども。 ミステリと言えない話もあるけれど、こんなにバラエティ豊かで面白い短編集だったなんて。 読んでよかった。

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2015/09/14

サクサク読めるのと読後感の良さよ。こういう味わいのミステリって他になんかあったかなぁと、何とも例え難い。各々の話でのキャラクターたちが語る内容が面白かった

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2015/08/11

こじんまりとしたバーで、「わたし」が初対面の男から持ちかけられた、謎めいた“賭け"の行方は・・・。 短編集です。 ちょっとした日常の謎とか歌野晶午みたいなワンアイデアで一本くらいの軽いミステリとかバラエティに富んでいます。いい意味でも悪い意味でも統一感がない一冊かもし...

こじんまりとしたバーで、「わたし」が初対面の男から持ちかけられた、謎めいた“賭け"の行方は・・・。 短編集です。 ちょっとした日常の謎とか歌野晶午みたいなワンアイデアで一本くらいの軽いミステリとかバラエティに富んでいます。いい意味でも悪い意味でも統一感がない一冊かもしれません。逆にいうとどれか一本くらいは好みの話が見つかるんじゃないかな、と。 個人的には「北欧二題」が異国の風景を読んでいて感じ入った気がして好きです。謎!って感じの話でもなくすっきりと読めたのも好印象。

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2015/06/18

深水黎一郎のミステリ短編集。 表題作は日本推理作家協会賞作品、これはよかった。洒落た感じと、切れの良い起承転結、読後感も良好。 それと「蜜月旅行」は楽しめたが、他が微妙だった。 メフィストデビューの作者の色合いは不安定であり、どちらかといえば、“らしさ”がない作品のほうが好き。 ...

深水黎一郎のミステリ短編集。 表題作は日本推理作家協会賞作品、これはよかった。洒落た感じと、切れの良い起承転結、読後感も良好。 それと「蜜月旅行」は楽しめたが、他が微妙だった。 メフィストデビューの作者の色合いは不安定であり、どちらかといえば、“らしさ”がない作品のほうが好き。 となると、相性はよくないのかもしれない。 3

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2014/09/17

前から気になっていた作家だったので、短編集なら雰囲気を知るには丁度いいだろうと手にとってみた。 なかなか受賞が難しいといわれる推協賞の短編部門を受賞したという表題作はなんともお洒落な作品だった。 結末のオチが効いているのは勿論、800メートル競争することがなぜ人間の尊厳を証明す...

前から気になっていた作家だったので、短編集なら雰囲気を知るには丁度いいだろうと手にとってみた。 なかなか受賞が難しいといわれる推協賞の短編部門を受賞したという表題作はなんともお洒落な作品だった。 結末のオチが効いているのは勿論、800メートル競争することがなぜ人間の尊厳を証明することになるのか、という理論を楽しく読めた。 個人的に好きなのは『完全犯罪あるいは善人の見えない牙』 病死に見せかけ殺し、完全犯罪を成功させた筈なのになぜ捕まったのか。 真相は簡潔ながら綺麗に纏まっており、1番ミステリ度が高い作品ではないだろうか? ミステリとして読むと肩透かしを食らうかもしれないが、単純に読み物として面白いので是非読んで欲しい。

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2014/07/23

ブックオフにて日本推理作家協会賞の文字に惹かれて手に取った一冊。 短編集としてバラエティのあるラインナップ。作者に海外経験があるようで、欧州を舞台にした作品が二作あります。 特に良かったのはその内の「北欧二編」。北欧を旅するバックパッカーが旅先で出会う日常の謎、な物語です。あとが...

ブックオフにて日本推理作家協会賞の文字に惹かれて手に取った一冊。 短編集としてバラエティのあるラインナップ。作者に海外経験があるようで、欧州を舞台にした作品が二作あります。 特に良かったのはその内の「北欧二編」。北欧を旅するバックパッカーが旅先で出会う日常の謎、な物語です。あとがきや解説でもその文体にスポットが当てられていますが、物語としてもすっきりとした構成で評価できるもののように思います。そこにあの文体が合わさって、芥川の「上海游記」を現代に写したような印象も受けたりしました。 機会があれば作者の別作品もチェックしたいと。

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2014/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何故、見ず知らずの相手と夜中に競争しなければならないのか? 100メートルでも1キロメートルでもなく、中途半端な800メートルを指定する理由は? これらの根拠を、量子力学を基に医学や文学にまで言及しながら説明していくのですが( ^ω^ ) 読んでる最中は、「成る程ね〜突飛な発想だけど一応筋が通ってるわ〜」と感心しきりだったのですが、よくよく読み返すと牽強付会も甚だしいですな(笑)。でも、初読の時は凄く鮮やかな論理展開に感じられたんですよね〜( ^ω^ ) 男が持論を述べる上記の部分が面白かったので、賭けの対象に話が及び始めた後は、若干失速したような印象でしょうか。ラスト付近で出て来た人物が、ホームズ役となって男の魂胆を推理した時も、「うーん蛇足感…←」という印象だったのですが、最後の最後で示された「人間の尊厳」に、思わず「やられたわ( ^ω^ )ぎゃふん←」と嬉しくなってしまったのでした。 他数編も毛色の違う「意外なラスト」を楽しめます*\(^o^)/* 北欧二題の前半部と、完全犯罪〜が特にオススメかな〜( ^ω^ ) ◎人間の尊厳と八○○メートル…「俺と八○○メートル競争しないかい」ーー初対面の男が私に持ちかけてきた、奇妙な賭けの謎。 ◎北欧二題…硬貨と紙幣を交互に店員に差し出す客の謎と、閉館時間15分前にやたらと退館を促す係員の謎。 ◎特別警戒態勢…お盆の期間中に犯行予告状を出した犯人の真の目的とは? ◎完全犯罪あるいは善人の見えない牙…非の打ち所のない完全犯罪の計画を破綻させたのは、非の打ち所のない「彼」の善意だった。 ◎蜜月旅行 LUNE DE MIEL…新婚旅行に出た夫婦。旅慣れた夫は、新妻に良いところを見せようと奮起するが…

Posted byブクログ

2015/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チョットした小話が5つ(各話40ページほど) 「人間の尊厳と800メートル」 義足の人に5万円を賭けた800m競走を持ちかけた男が、ゴツイ人も参加すると言われ退散する。(ゴツイ人も実は障害者だった) 「北欧二題」 1.おもちゃ屋でカード決済出来ない国王が、お札の顔で本人確認する。 2.館員が閉館後に友人と会う約束のせいで、博物館から閉め出される。 「特別警戒態勢」 お盆に皇居を爆破すると予告した犯人の目的は、父が警官でお盆に家族旅行したくなかったから。 「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」 善人すぎる夫を投薬で殺害するが、夫が死後全身を医療提供する契約をしてたのでバレる。 「蜜月旅行 LUNE DE MIEL」 新婚旅行で海外へ行き、タクシーでカツアゲに会うが、妻がレストランで盗んだナイフで撃退する。 <感想> 5編とも小さな謎に、多量のウンチクという体裁で、内容が薄いとしか感じず。 巻末の解説が、日本推理作家協会賞の選考委員だった人で、大掛かりなトリックとかどんでん返しはあまり好きではないとのこと。

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2014/03/12

日本推理作家協会賞短編賞受賞作(表題作)を含む短編集。 ひとつひとつはさほど長いものではないが、ロジカルな短編から、純粋なミステリとは言えないものまで、内容がバラエティに富んでいて、どれを読んでも楽しめた。 完成度という点では、矢張り、短編賞受賞作の『人間の尊厳と八〇〇メートル』...

日本推理作家協会賞短編賞受賞作(表題作)を含む短編集。 ひとつひとつはさほど長いものではないが、ロジカルな短編から、純粋なミステリとは言えないものまで、内容がバラエティに富んでいて、どれを読んでも楽しめた。 完成度という点では、矢張り、短編賞受賞作の『人間の尊厳と八〇〇メートル』かな。

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