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街場の五輪論 の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2014/03/29

2020年オリンピックの招致活動、その後の東京オリンピック決定のメディア報道は、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」のジェスチャーとともに、記憶に新しいところである。 今回の東京オリンピック決定について、疑義を抱いている人はたくさんいるはずなのだが、実際に声を大にして「反対!...

2020年オリンピックの招致活動、その後の東京オリンピック決定のメディア報道は、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」のジェスチャーとともに、記憶に新しいところである。 今回の東京オリンピック決定について、疑義を抱いている人はたくさんいるはずなのだが、実際に声を大にして「反対!」と叫ぶ者は、言論界でそう多くない。 そのような状況の中でも、「炭鉱のカナリア」として「反対!」と必要以上に声を張って唱えるのが、内田樹、小田嶋隆、平川克美の三氏である。 第5章「消費税も戦争も」で展開された、「小さな義理と大きな義理の戦い」、それから、エピローグでの「まぼろしの東京オリンピック」は非常に興味深かった。

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2014/03/09

オリンピック招致に見た違和感、なぜ「2020年」に「東京」で「オリンピック」が行われる必要があるのか、という疑問。 自分の感じていたことが包括的に語られていて、ああなるほど、と思うばかり。 「街場」というより完全に著者3人衆の語りだが、「五輪反対!」と明確に叫べない雰囲気があ...

オリンピック招致に見た違和感、なぜ「2020年」に「東京」で「オリンピック」が行われる必要があるのか、という疑問。 自分の感じていたことが包括的に語られていて、ああなるほど、と思うばかり。 「街場」というより完全に著者3人衆の語りだが、「五輪反対!」と明確に叫べない雰囲気がある、言い換えれば同じように思っている人はもっといるはずだというのがこの本の見立て。本当にそうだろうか。 少なくとも自分は五輪反対、2020年までに東京から脱出したいと思っているが。

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2014/03/06

今回の東京オリンピック招致をきっかけに、日本社会はどうもきな臭い方向に向かいそうな気がする。新国立競技場のコンペも不透明なまま、強引に押し切られそうな勢いだし、福島の放射能汚染は「東京には関係ない」というロジックで黙殺した。東北の復興もまだ見えないのに祭りの準備で反対意見は言いづ...

今回の東京オリンピック招致をきっかけに、日本社会はどうもきな臭い方向に向かいそうな気がする。新国立競技場のコンペも不透明なまま、強引に押し切られそうな勢いだし、福島の放射能汚染は「東京には関係ない」というロジックで黙殺した。東北の復興もまだ見えないのに祭りの準備で反対意見は言いづらい空気が作られていく。「水を差すな」「野暮をいうな」という言葉で小さな声はかき消されていく。憂慮すべき事態なのにそれを叫ぶ識者はあまりに少ない…。 数少ない「空気を読まない」人たちの言葉をしっかりと受けとめておきたい。

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2014/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 本を読む気分的な余裕ができたので読んでみた。頭のいいおじさんたちが東京五輪招致に難癖をつけている鼎談集。  気心の知れた者同士の鼎談ゆえ話がドライブしすぎて、単なるいちゃもんになっている部分もないわけではないけれど、ロジックとしてはうなずける部分が多い。  たとえば、「おもてなし」について。この言葉をもてなす側が積極的に使うのは、言われてみれば確かに妙な話で、あの場面に抱いていた違和感の原因はこれだったかと膝を打った。  個人的にはオリンピック自体にさほど興味がないので、フラットな気持ちで読了することができた。主張の是非はともかくとして、この本に述べられているような「知的な五輪不要論」が日の目を見なかったとしたら、著者たちの主張通り、日本の世論形成のフローは翼賛チックになってるんだろうなと思うことにします。

Posted byブクログ

2014/02/25

「なんで東京オリンピックに反対なんだ! それがあんたのところの会社の方針なのか!」 私が勤める小さな新聞社が発行するローカル紙に、このほど開催が決まった東京オリンピックに反対するコラムが掲載されました。 執筆したのは編集長。 これに対して取材を通してお世話になっているIさんから電...

「なんで東京オリンピックに反対なんだ! それがあんたのところの会社の方針なのか!」 私が勤める小さな新聞社が発行するローカル紙に、このほど開催が決まった東京オリンピックに反対するコラムが掲載されました。 執筆したのは編集長。 これに対して取材を通してお世話になっているIさんから電話でクレームが来ました。 かなりの剣幕です。 私は釈然としないものを感じながら、「編集長に伝えます」と繰り返しました。 東京オリンピックに対して反対することは許されないという「同調圧力」をはっきり感じた瞬間でした。 本書では名うての論客3氏が、その同調圧力に抗って「東京オリンピックに異議あり」とはっきり言い切っています。 まずその勇気に感服しました。 この国には少数意見を排除する傾向があります。 物言えば唇寒しで当初異論を口にしていた者も、やがて口を閉ざすようになる。 そんなことではいけないと思うのです。 意見は自由に表明できるようでないと。 私自身は東京オリンピックに賛成でも反対でもありませんが、反対を叫ぶ自由は守りたい。 何としても守りたい。

Posted byブクログ