路地裏のヒミコ の商品レビュー
25年前に姿を消した、百発百中の予言者「ヒミコのオッサン」。漫画家志望の大輝は、3人の死を予言した「ヒミコのオッサン」の噂を聞き、彼を良く知る人物に取材を行うが…。恐怖の中篇全2作を収録。 エロ、グロ、ホラー、ユーモア、ナンセンス、狂気…、飴村行の粘膜シリーズでいかんなく発揮さ...
25年前に姿を消した、百発百中の予言者「ヒミコのオッサン」。漫画家志望の大輝は、3人の死を予言した「ヒミコのオッサン」の噂を聞き、彼を良く知る人物に取材を行うが…。恐怖の中篇全2作を収録。 エロ、グロ、ホラー、ユーモア、ナンセンス、狂気…、飴村行の粘膜シリーズでいかんなく発揮された持ち味のうち、いくつかが欠けていた。それでも相変わらずのReadabilityで飽きることなく読ませる。でも特に表題作、かなり「イってしまっている」感があるが作者、大丈夫だろうか? (B)
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ホラー中編集。 「水銀のエンゼル」は、この人の作品にしてはまともだなあ、という印象。しかしその思いは終盤で完全に(いい意味で)裏切られてしまいました。うわー、やっぱり邪悪だったか~。 「路地裏のヒミコ」は異形感炸裂。予言者「ヒミコのオッサン」の不気味なキャラクター造形からして引き...
ホラー中編集。 「水銀のエンゼル」は、この人の作品にしてはまともだなあ、という印象。しかしその思いは終盤で完全に(いい意味で)裏切られてしまいました。うわー、やっぱり邪悪だったか~。 「路地裏のヒミコ」は異形感炸裂。予言者「ヒミコのオッサン」の不気味なキャラクター造形からして引き込まれます。独特の世界観と、シュールすぎる展開。謎の言葉「ウミボウズになりたい」の意味がまさかそういうことだったなんて!
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表題の「路地裏のヒミコ」より「水銀のエンゼル」のほうがよかったw でも、飴村作品としては、ちょ~っと物足りない感があるなぁ~!次作に期待しますww
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約2年ぶりに味わう飴村節。『爛れた闇の帝国』では、ひたすらにグロい粘膜シリーズとは一線を画した進歩性を示した。中編2編という構成だが、長いインターバルを経て、今回はどんな狂気を見せてくれるのか。 「水銀のエンゼル」。医大を中退後、紆余曲折を経て作家デビューした男。隣りの部屋...
約2年ぶりに味わう飴村節。『爛れた闇の帝国』では、ひたすらにグロい粘膜シリーズとは一線を画した進歩性を示した。中編2編という構成だが、長いインターバルを経て、今回はどんな狂気を見せてくれるのか。 「水銀のエンゼル」。医大を中退後、紆余曲折を経て作家デビューした男。隣りの部屋に住む女性に作家であることを知られ、ファンだと告げられる。ほどなく、2人は男女の仲に…って、飴村作品にしては普通すぎる設定。当然修羅場が待っているはず。 順調に愛を育むわけがない。一通の手紙から、男の学生時代の苦い記憶が蘇る。渋々彼女のアドバイスに従うと…あれれ??? 予想外の展開に。どんな決着をするのかと思ったら…。一般読者には十分に嫌な結末だし、男同様に僕はお人よしでしたとも。でもね、現実世界を一歩もはみ出していなくて、飴村ファンとしては大いに不満だ。 その反動というわけでもないだろうが、現実世界をはみ出したのがもう1編の表題作「路地裏のヒミコ」。新宿区にある窪地。地下鉄の駅から近く、アクセスも治安もいいこの土地の因縁とは…。窪地という設定がいいよねえ。 ミュージシャン志望の悪友は、ある人物に心酔していた。自信満々のアルバム曲目に、彼は呆れたとは言えないのだった。いいじゃなーい、意味不明なのが飴村作品の持ち味だ。そして、意味不明なりに筋が通っているのが、飴村行の飴村行たる所以。 深追いしたばかりに彼を待ち受ける運命とは。一般読者なら本を投げつけそうだが、飴村節に毒された読者には滑稽でしかない。一応謎が説明されていて、ミステリーの体裁にはなっているのだが。彼にとって、どちらの選択がよりましだったのか。 意識したのかどうか、グロ描写は少ない。それが悪いわけではないし、「らしさ」は感じられる。それでも、粘膜シリーズのぶっ飛び具合と比較すると、何だか小粒になってしまった感が否めないのだった。完成度という点でも『爛れた闇の帝国』には及ばない。 飴村行の狂気は、こんなものではないはずだ。読まなきゃよかったと心底後悔するような作品を、飴村ファンは待っている。
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