解縛 の商品レビュー
小島慶子の自伝。 彼女の本はこれで2冊目。 彼女が記した『わたしの神様』という女子アナが主役の小説を読んだとき、鋭い描写と感じると同時に、何でこんなに屈折した人物ばかり出てくるのだろうと思ってたけど、これを読んでわかった。 つまり、彼女の実体験がベースだったのだなと。 今までこ...
小島慶子の自伝。 彼女の本はこれで2冊目。 彼女が記した『わたしの神様』という女子アナが主役の小説を読んだとき、鋭い描写と感じると同時に、何でこんなに屈折した人物ばかり出てくるのだろうと思ってたけど、これを読んでわかった。 つまり、彼女の実体験がベースだったのだなと。 今までこの手の本は何冊も読みましたが、世間的には成功者として見られる彼女が、ここまで過酷な経験をしてたとは露知らず。 転勤族の娘として生まれ、癖のある両親と姉に育てられ、転勤のたびにスクールカースト→いじめに遭遇し、15歳で摂食障害となり、女子アナになったはいいけど男性社会で虐げられ、結婚して子供を持つと今度は不安障害で葛藤する。 そういう中で、女子アナを「男性優位社会に依存して特権を得る女の象徴」、家族を「愛の債権者」と言い切る彼女独特の鋭い感性と、家族に認められなかったことに由来するガラスのハートが作られたのだなと。 そして、毒親の元で生まれ育った以上、そういう運命から逃れられないと感じた。 最終的には自分で乗り越えるしかないのだと。
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一文一文に込められた意味が濃密なのに、そのまま頭に入ってくるところは、さすが正確に言葉を伝えることを長年の使命として、それを果たしてきた人だからだなぁと大変感心した。 また、言葉の端々に他人からのさまざま呪縛が滲み出ており、読んでる方は苦しくなる。 私も自己愛だけの強い母親に育て...
一文一文に込められた意味が濃密なのに、そのまま頭に入ってくるところは、さすが正確に言葉を伝えることを長年の使命として、それを果たしてきた人だからだなぁと大変感心した。 また、言葉の端々に他人からのさまざま呪縛が滲み出ており、読んでる方は苦しくなる。 私も自己愛だけの強い母親に育てられてきたため共感する点も多いが、作者のように、多くの出来事を毎回ここまで徹底的に掘り下げて消化していたら苦しかっただろうし、家族に分かり合える人がいなかった様子も彼女の悲劇を深めたと思う。
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小島慶子さんがこれまで辛い思いで頑張って生きてきた背景には育った環境や家族関係も影響しているとは思うが、それだけではなく、小島さんご自身が生まれながらにして難しい性格なのではと思ってしまう。 強がりであり自分への肯定感も強く、その反面、常に他人の自分への視線や態度が気になり、過剰...
小島慶子さんがこれまで辛い思いで頑張って生きてきた背景には育った環境や家族関係も影響しているとは思うが、それだけではなく、小島さんご自身が生まれながらにして難しい性格なのではと思ってしまう。 強がりであり自分への肯定感も強く、その反面、常に他人の自分への視線や態度が気になり、過剰に反応してしまう。 生きてゆくことが普通の人より大変な方なのではないだろうかと感じてしまった。 全ての思いをぶちまけても黙って聞いてくださる優しいご主人に巡り逢えて本当に良かった。
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「解縛」という言葉はあまり耳慣れないが、意味はサブタイトルのとおり。 インナーチャイルド(内なる子ども=傷ついた子どもの自分)についての独白で、最近は「ママズフィルター」(=母親のフィルター)なる新語も出てきているらしい。 彼女は元TBSアナウンサー。 通常、このような有名人が...
「解縛」という言葉はあまり耳慣れないが、意味はサブタイトルのとおり。 インナーチャイルド(内なる子ども=傷ついた子どもの自分)についての独白で、最近は「ママズフィルター」(=母親のフィルター)なる新語も出てきているらしい。 彼女は元TBSアナウンサー。 通常、このような有名人が出す本の大半は、ゴーストライターが存在して聞き書きすることが多いのだが、読み始めてみて、おそらくこの本は彼女自身が書いているのだろうと確信した。 なぜかというと、読みづらいから。。。 文章の切り方とか段落の区切り方などがかなり読みづらい。 これだけ自分のブログを持っている人が増えてくると、ユニークな表現方法や視点で、おもしろくまとまった文章を書ける人は非常に増えてきている。 でもそれはあくまで短い文章の話で、本1冊分の長さとなると、また別の能力や技術が必要になる。 作者にそのスキルが足りない場合に、それを補うのが編集者なのだけれど、この本は内容が重いだけにもう少し軽く読ませる工夫が必要だったのではないか。 そう感じた理由の一つに、筆者は母親だけでなく姉への思いを多く書き連ねているのだ。 母と娘であれば、ある程度時間が経てば情報として「解禁」になることもたくさんあるだろう。 だが姉と妹という年の近い関係はどうなのだろう? 私は自分に兄弟がいないので、兄弟の不仲を暴露することも、それをどこまで許し合えるのかも理解できないのだが、この本を読んで筆者の姉家族がどんな感想を持ち、はたからどんな目で見られるのかを想像して少し苦しくなった。 おそらく姉だって、妹である筆者とはまた別のかたちで「解縛」されていたに違いないのに、その弁明の機会を与えられないのはあまりフェアじゃない。 子ども時代のクラスメートたちから苛められた過去について言及している部分もある。 本人が読んだら、「私のことだ」と気づいてしまうのではないか。 全体的に、真摯に自分を掘り下げようとしているのはわかるのだが、部分的にアナウンサーという花形職業に就いた著名人の特権を振りかざしただけの箇所も見られるのが残念。。。 彼女は高校のころに、自分の容姿がある程度目立ち、優れていることに気づいたとある。 といっても、彼女はいわゆるアイドルアナではなかった。 野心はものすごく感じるけれど、男性が期待する女子アナを演じきれない個性みたいなものを、テレビを通してだけれどもいつも感じていた。 同期アナは小川知子アナと堀井美香アナ。 フリーに転身したのが著者だけで、当初は大きくリードしていたらしい二人ともが現在もTBSの局アナであるのがちょっとおもしろい。 著者は局アナを辞め、単なるフリーアナではなく、個性を活かして独自の波長で発信する今のポジションをつかむにあたり、きっとひと皮もふた皮もむけたのだろうと想像してはいたが、その中身はこの作品に描かれているような葛藤と内省だったのだろう。 強く同意した場所があった。 「母は、他者を持たない人だった。彼女にとって娘は分身であり、作品。彼女が支配したかったのは、娘ではなく、自分の人生だったのかもしれない」。 苦しみ続けた彼女の内面は、一度家族というものを「諦めた」ことと、彼女の夫によって解放されたようだ。
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最近注目が高まっている母娘関係の本にカテゴライズかな。読んでてキツイ。大人になってまで子どもの頃に親にされたことをとやかく言うのはみっともないとか、自分が親になれば、当時の親の気もちがわかって昇華されるとかきいていたけれど、それは「親」の言い訳に過ぎないのかなあと思った。 親子だ...
最近注目が高まっている母娘関係の本にカテゴライズかな。読んでてキツイ。大人になってまで子どもの頃に親にされたことをとやかく言うのはみっともないとか、自分が親になれば、当時の親の気もちがわかって昇華されるとかきいていたけれど、それは「親」の言い訳に過ぎないのかなあと思った。 親子だからといって我慢してまで仲良くしなければならないとは決まってない。親子だからとて過剰な甘えは許されないのだけれど、双方の考えが食い違っていると地獄だ。 未熟な人間が親になり、初めて子を育てるのだからいろいろ間違うだろうけれど、子どもは親のものではなく別の生き物なのだから、と、ところどころで冷静になって切り離して子どもを見たいなあと思った。生んでないけれど。
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とても私の母と似ているので小島さんの気持ちはよくわかりました。そして職場で吐かれた暴言も同じようなことがあったな、私も何度先輩女性に呪いをかけたことかと可笑しくなりました。自分の心の中でこれだけは言っちゃいけないでしょうとしまっていたダークなことを全部代弁してくれた感じです。まぁ...
とても私の母と似ているので小島さんの気持ちはよくわかりました。そして職場で吐かれた暴言も同じようなことがあったな、私も何度先輩女性に呪いをかけたことかと可笑しくなりました。自分の心の中でこれだけは言っちゃいけないでしょうとしまっていたダークなことを全部代弁してくれた感じです。まぁいっかと流せない正直で真面目な人柄なんでしょうね。 意外な半生記でしたが、学校でのいじめも小学校受験の失敗も先生に好かれなかったことも全部家族のせいのように読み取れて正直あまり後味が良くなかったです。
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昼間にTBSラジオでたまたま小島慶子さんの番組を聴いてファンになりました。 小島さんの独特の透明な率直さと明るさが好きなのですが、いろいろと大変なことがあった人だったんだとびっくりでした。
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大変なお母さんだな、という思いと、何もここまで否定しなくてもという感想を持った。 親になったとき、子どもにこのように自分のことを見られたら、小島慶子さんはどう思うのだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フリーアナウンサーの小島慶子の自伝的エッセイ。 出生から現在までの、家族との関係について、書かれている。 、遠野なぎこの『一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ』など、有名女性タレントが最近次々と母親との確執がテーマにした本が出版されている。 しかも、けっこうな年齢になってから。 本当に家族との関係が大変だったときはそれを本にすることなどできないほど、差し迫った状況にあったのかと思われる。 この本の筆者は恵まれた経済環境、恵まれた容姿と頭脳を持って生まれてきたのに、家族との関係に悩み、それが幸せだとは感じてはいなかったのだな。 筆者がフリーアナウンサーになって、イベントの司会をやったときに見に来た母親の友人が、「あなたのお母様変わっているわね」というひとことが客観的にみて、どれだけつらい思いをしていたかがやっと少し理解できた。 それにしても随分思い切ったことを。 家族も、姉妹も、友人たちも、御主人も、いずれ子どもも目にするかもしれないのにー。大丈夫? 毎日笑って暮らせるのがやっぱり一番幸せなんだと思う。
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裕福な家庭には生まれなくてよかったのかもと思ってしまうような内容。 小島さんが特別なのか、聡明な人ってこんなにも小さな頃から人の悪意、行動の裏に敏感なのかとびっくりしてしまった。 子供時代の記憶も事細かに描写されている。 私の場合、小さい頃の記憶なんてそう言えばあの子に意地悪さ...
裕福な家庭には生まれなくてよかったのかもと思ってしまうような内容。 小島さんが特別なのか、聡明な人ってこんなにも小さな頃から人の悪意、行動の裏に敏感なのかとびっくりしてしまった。 子供時代の記憶も事細かに描写されている。 私の場合、小さい頃の記憶なんてそう言えばあの子に意地悪されたな程度しか無いし、人の感情の機敏についてなど気づきもしなかった。 親にこうして欲しかった、この仕打ちが辛かったというのは自分が大きくなって振り返ってみるとどんどん溢れ出てくると思うが、それを単純に「毒親」と批判する風潮はどうかと思う。 親は完璧な人間では無いし、あの時こうしてくれたらということを言い出せばきりがない。 その不完全さを許せるようになるというのが大人になるということなのではないかと思う。
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