グローバル・ガヴァナンス論 の商品レビュー

吉川元,首藤もと子,六鹿茂夫,望月康恵【編】

2014/04/30

問題解決能力の限界を露呈している今日の国際社会では、政府なき国際社会であり、基本的にはアナーキカル社会である。とはいえ、これまで分権的な国際社会を管理し統制しようとする試みがあった。その方法とは権力の国際化であり、大国有利の国際平和秩序の形成による国際統治の確立である。

国際統治を実現するには、単に権力の国際化のみならず、経済、文化、法律など処分やを国際化することによって、安定した国際秩序を構築しなければならない。

冷戦の終結後に加速化するグローバル化は安全保障概念の転換を迫り、その結果包括的安全保障、共通の安全保障、人間の安全保障、グローバル安全保障といった様々な安全保障概念を創出することになる。