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対岸 の商品レビュー

3.5

5件のお客様レビュー

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2018/05/21

処女短編集。成熟した旨味みたいなのは無いけれど、これはこれであっさりした味付けで嫌いじゃない。ラノベっぽいコルタサル。 小説の中では「魔女」が好きかなー。 「短編小説の諸相」が入ってるだけで読む価値あると思う。

Posted byブクログ

2018/01/04

 13の短編からなるフリオ・コルタサル処女短編集。  現実の時空から、知らぬ間に異なった時空に迷い込んだり、吸血鬼や魔女といった伝奇物語にテーマを求めたり、「手」が大きくなったり、「手」が友達のように部屋に訪ねてきたり、他の惑星で神の死を体験したり、星々を清掃しまわったり……。...

 13の短編からなるフリオ・コルタサル処女短編集。  現実の時空から、知らぬ間に異なった時空に迷い込んだり、吸血鬼や魔女といった伝奇物語にテーマを求めたり、「手」が大きくなったり、「手」が友達のように部屋に訪ねてきたり、他の惑星で神の死を体験したり、星々を清掃しまわったり……。  怪奇的なもの、幻想的なもの、SF的なもの、はたまた星新一的なオチのあるショート・ショート的なもの、と幅広い内容の短編が収められている。  処女短編集なので、「遊戯の終わり」「秘密の武器」「悪魔の涎・追い求める男」等に収められている物凄く完成度の高い短編と比べ、見劣りする箇所もなくはないのだが、それは単に相対的に判断してしまうからであり、やはりフリオ・コルタサルは処女短編集からしてフリオ・コルタサルなんだなぁ、と思わせてくれる。  おまけとしてキューバで行われた短編をテーマにした講演会の模様「短編小説の諸相」も収められており、これも読みごたえあり。

Posted byブクログ

2017/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小ぶりだがバラエティに富んだ短編集。 ただしコルタサルは短篇に愛着があるらしいが、中編のほうが生きるのかもとちょっと思ったりもした。 ■剽窃と翻訳 吸血鬼の息子★ ※ゴシック。 大きくなる手 ※ループ。 電話して、デリア★ ※今際の際との交信。 レミの深い午睡 ※ループ。 パズル★ ※記憶の混濁と猟奇。 ■ガブリエル・メドラーノの物語 夜の帰還 ※幽体離脱。 魔女★ ※想像で人の実体を作り上げる。(ボルヘス) 転居 ※異なる世界線に来てしまった。 遠い鏡 ※ワープだか異なる世界線だか。 ■天文学序説 天体間対称 星の清掃部隊 ※SF寓話。 海洋学短講 手の休憩所 ※奇想。 ■短編小説の諸相 短編小説とは、生と、書き表された生が兄弟喧嘩を繰り広げる場所から生まれる。 暗示力、凝縮性、緊張感。 物語によっていったん読者を現実から切り離した後、再び世界と読者のより豊かな絆を作る。 革命を書くより、革命的に書くには、幻想文学の方が革命的かもしれない。

Posted byブクログ

2014/05/01

これが幻想文学というやつかぁ。 アルゼンチンに、それも80年前に、こんな文章があったのかと。 訳もよいんでしょうきっと。新鮮でした。

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2014/03/01

短篇集。 『剽窃と翻訳』『ガブリエル・メドラーノの物語』『天文学序説』の3つに分かれている。分けるとすれば、『剽窃~』と『ガブリエル~』は怪奇幻想小説、『天文学~』はよりSF寄り。 『吸血鬼の息子』は怪奇幻想小説では王道の吸血鬼ものではあるが、吸血鬼が父親になる(女性が妊娠する...

短篇集。 『剽窃と翻訳』『ガブリエル・メドラーノの物語』『天文学序説』の3つに分かれている。分けるとすれば、『剽窃~』と『ガブリエル~』は怪奇幻想小説、『天文学~』はよりSF寄り。 『吸血鬼の息子』は怪奇幻想小説では王道の吸血鬼ものではあるが、吸血鬼が父親になる(女性が妊娠する)というのが珍しいように思う。ラストで出産のために医師が集まっているのがやけに現実的。 『電話して、デリア』は、怪奇小説でよくある筋立てだが、中盤で交わされる会話が生き生きとして、オチとのギャップがいい。 オチといえば、『魔女』『天体間対称』のラストも秀逸。『星の清掃部隊』は発想の勝利か。 内容とは全く関係がないが、このシリーズは新刊予定が全く読めなくて困る……版元がちっとも宣伝をしてくれないので、店頭での出会いに賭けるしか無いというw

Posted byブクログ