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やわらかな棘 の商品レビュー

3.5

17件のお客様レビュー

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2016/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どの章の主人公にも共感はしなかったけど美雨ちゃんがママに「ありがとうは?」とせかされるのが嫌な気持ちはわかる。子どものときを思いだした。わかってるよって。せかさないでって。比呂人には早瀬じゃないけど、ざまあみろ(笑)と。第3章「美しい雨」では第2章「ヒヨコと番長」の奈津子と隼人が結婚したり幼稚園の先生になろうと勉強を始めたのがわかってうれしかったです。最後は早瀬が少しずつ元気になっていけそうな終わりかたでよかった。

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2016/03/22

生きていくことは面倒で苦しいことだ。救ってくれるのは、友人でも愛する人でもなく、自分の気持ちだ。普通にどこにでもいる女性たちの心の苦しみを描いた連作小説。 異性なのでよくは分からないが、おそらく等身大の女性たちが主人公。家庭内でも社会生活においても、人間関係はわずらわしく面倒だ。...

生きていくことは面倒で苦しいことだ。救ってくれるのは、友人でも愛する人でもなく、自分の気持ちだ。普通にどこにでもいる女性たちの心の苦しみを描いた連作小説。 異性なのでよくは分からないが、おそらく等身大の女性たちが主人公。家庭内でも社会生活においても、人間関係はわずらわしく面倒だ。登場する女性がとても身近に感じるので、その棘の痛みもストレートに伝わってくる。故にタイトルの巧さは秀逸だ。

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2015/12/23

家族の少なさは、時にあたしたちに、ぞっとするような孤独の底を見せる。 いつの日かあなたにも、泣きじゃくる日がくるかもしれない。どうしようもなく、ふるえる日がくるかもしれない。誰かを憎んだり、失くしたり叶わなかったり裏切られたり傷つけられたりして、このまま世界が終わってしまえばよ...

家族の少なさは、時にあたしたちに、ぞっとするような孤独の底を見せる。 いつの日かあなたにも、泣きじゃくる日がくるかもしれない。どうしようもなく、ふるえる日がくるかもしれない。誰かを憎んだり、失くしたり叶わなかったり裏切られたり傷つけられたりして、このまま世界が終わってしまえばよいと本気で願う日がくるかもしれない。 その時あたしが、あなたの横に居られることを、今から祈ろう。あたしがあなたのために一日でも永く生きられることを。健康でいられることを。あたしが、あなたへ吹きつける風を、すこしでも和らげてあげられるよう。そして、求められた時には、「なりふり構わずに」あなたを守れる強い自分であるように。あなたのぶんも、あたしが祈る。

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2015/12/01

15/11/30 復讐の話、もうちょっと読みたかったけどそのもうちょっと読みたいくらいがきっといいんだよね。「春待ち」はじんときました。“いつかは生まれかわって、知らない人になって知らない人と、この夕陽を見ることができるんだろうか。” (T_T) それから『誕生日は祝われる日では...

15/11/30 復讐の話、もうちょっと読みたかったけどそのもうちょっと読みたいくらいがきっといいんだよね。「春待ち」はじんときました。“いつかは生まれかわって、知らない人になって知らない人と、この夕陽を見ることができるんだろうか。” (T_T) それから『誕生日は祝われる日ではなくて、感謝する日なんだ。お腹を痛めて、うんと頑張って、この世界に送り出してくれてありがとう、お母さん』て似たような言葉、市川拓司の小説でもあったけど、こういう考えすてきだと思います。

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2015/07/15

一話完結かと思いきや、登場人物が重なっていて、気になる人たちのその後がわかる感じの話でした。 とりあえずヒロが不幸せそうでよかった(笑) 「美しい雨」では、私も喜多さんみたいな態度の人を「ちょっと……」と思ってしまってたけど、確かに子供を守れるのは親しかいないんだよなあ。

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2015/07/05

秘密を隠して、今日も私は微笑む。 女性を主人公にした短編オムニバス。少しずつ登場人物は重なり合っているので、裏側がわかる。誰も、外から見えるものだけではできていない。人が幸せに見えるのは、隣の芝は青いだけ。でも、どの話も一応歩き出すラストが描かれているので、救いはある。幸せは気...

秘密を隠して、今日も私は微笑む。 女性を主人公にした短編オムニバス。少しずつ登場人物は重なり合っているので、裏側がわかる。誰も、外から見えるものだけではできていない。人が幸せに見えるのは、隣の芝は青いだけ。でも、どの話も一応歩き出すラストが描かれているので、救いはある。幸せは気の持ちよう。だから、難しいんだけど。

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2014/03/04

棘ね…相手に向く棘、受ける棘、自分に向ける棘。 読んでいて苦しいような、嫌な感じのような、もがくような、色々チクチク刺さるものあれど、何処かに泣きたくなるような優しさ。この人の作品は痛みと優しさを伴う。

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