松本幸四郎 私の履歴書 の商品レビュー

松本幸四郎【著】

2024/09/07

印象に残った箇所については、以下のとおり。

【P3】私は常々人間一人生きていくエネルギーは、我々の心と体の中に備わっていると思っている。自分が日々、生身の身体で演じ続ける事が仕事の役者だからこそそう思うのかもしれないし、又自分の肉体と精神の中にあるこの原エネルギーを信じなければとてもやっていけなかったかもしれない。

【P73】私は外国の芝居は、シェークスピア劇であろうと、ギリシャ悲劇であろうと、日本人が日本語で日本の観客のため上演する時は、すべて日本の現代劇だと思っている。そうでなければ、ただ物まねのイミテーション外国劇に過ぎないと考えたからである。

【P153】米長 定跡という先人の汗の結晶があって、歌舞伎で例えれば型になりますかね。定跡を勉強して身につければ、天分さえあればあるレベルにまでは到達できます。ここからは創造力の勝負ですね。タイトルを取る人は常に"創る"ことに懸命になっている。

【P175】父はよく"芸は人だ"といっていました。良く悪くも人間が出るもので、芸の修業は同時に人間を磨くことだと、おりにふれていいました。たとえば襲名にしても、ただ名前を受け継ぐのではなく、名は命、いのちをうけつぐのだと。

2014/08/03

本書を過去を振り返るだけの墓碑銘とせず、私がまた新しい夢を語りだしていく第一歩としたい　いじめー芸の修行の方が辛く　こうして見れば歌舞伎界のプリンスとして、颯爽としているようだったかもしれないが、そんな楽天的な人生ではなかった　俳句は、言葉を扱う商売めもある役者に、必要な「セリフの間」を教えてくれる