レッドスーツ の商品レビュー

ジョン・スコルジー(著者),内田昌之(訳者)

2014/04/14

スタートレックの最初期ＴＶシリーズ「宇宙大作戦」を元ネタにしたトンデモＳＦ。並行宇宙あり、タイムトラベルあり、宇宙生物あり、のまさにＴＶシリーズの様にバラエティ豊かなＳＦ小説です。2010年に放映されている「イントレピッド号航宙記」のＴＶドラマが、小説の中における現在2500年の宇宙艦隊旗艦イントレピッド号の現実とシンクロしている！
この超バカバカしい設定が、「宇宙大作戦」のいい加減だったストーリーと相まって現実世界に緊迫感をもたらす。確かに、ＣＭ前にその他大勢が一人は死ぬ、洞窟に入ると怪物に襲われる、森に入ると上から怪生物が落ちてくる（大抵顔に張り付く）、主役級は絶対死なない、配電盤を光線銃で撃つと必ず都合よくドアが開く（または閉まる）等、数々のおバカな約束事が思い出されます。（スターウォーズでもドアの配電盤撃ってましたよね）
しかし現実の出来事として捉えると笑い事では済まない訳で、主人公たちは歴史を変えるべく過去に遡りイントレピッド号の脚本家に会って無意味な死を止めさせようとする。
これが物語の主題なんですが、ドタバタ劇のまま終わらず、最後のパートはロバート・Ｆ・ヤングの時間ロマンスの様な暖かい話で締めている。ほっこりします。これがいいです。
「宇宙大作戦」ファンなら必ず、ギリギリ「宇宙空母ギャラクティカ」ファンでも楽しめます。"

2014/03/03

前半はスタートレック（特にカーク船長バージョン）のパロディー．一番近いのは「ギャラクシークエスト」か？　と思いつつ読み進んで行くと，途中からはメタ小説．スタートレック（くどいようだがカーク船長バージョン）の設定が，ゆるく，また，とんでもなくご都合主義であることを逆手に取った，現実，いや，我々の世界との交錯（しかも「ブラックホールを使ってタイムスリップする」というベタな．．．．）で，一旦は大団円を迎えるのだが，このお話の評価が高いゆえんは，その後に付けられている「現実世界に対する落とし前」にある．といっても，このお話はSF好きは手を叩いて喜ぶと思うので，ローカス賞は納得だけど，ヒューゴー賞はどうかな，と思わないでもない．
ちなみにジョン・スコルジーをググってみたら，僕と同い年で，生まれが7日しか違わないことが判明．

2014/02/27

スタトレのオマージュ、ファン気質全開のおもしろ小説かと思いきや、中盤からすごいメタ小説の様相。そして後半のホロリとする展開。凝った構成でとても楽しめた。

2014/02/13

スタトレ好きなら一気に読めます(断言)。でも、偉い賞を何個も獲るような作品か？って〜ことだと、ウーン（−＿−；）。基準がよくわからないので、個人の意見ですがね。