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屋鋪要の保存蒸気完全制覇 の商品レビュー

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2014/02/16
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迫力の写真、被写体への愛情溢れる文章…著者はプロの写真家ではなく、かつて俊足で一斉を風靡した屋敷要氏である。元プロ野球選手の道楽と言うなかれ、北は北海道から南は沖縄まで、新橋のC11から南大東島の大東糖業2号機まで、7年に渡り全国各地を訪ねて撮影を重ねた記録である。 車両の保存には大変な手間がかかる。鉄の塊は何もしなければ錆が浮いてくる。屋外なら雨風が容赦無く叩きつけるから、そのペースは格段に早くなる。それでも、全国に保存蒸機が600両以上存在するとは驚きだ。もちろん、その状態は千差万別、7年の間に解体されたものもあるという。それでも、すぐにでも走り出さんばかりの姿で保存されているものが多いのは、各地で整備に尽力されている方々がいるからに他ならない。 福島と新潟を結ぶSLばんえつ物語のC57-180号機、群馬県の高崎〜水上を走るC61-20号機は、静態保存されていたものを再整備し、現在の安全基準をクリアした上で線路に戻している。復活に向け、長年良い保存状態にあったことが大きな決め手になったことは想像に難くない。実際このようなケースはなかなかないだろうが、その気になればもう一度レールの上を走らせることができる保存機がまだまだたくさんあるのは、素晴らしいことだ。 蒸気機関車の魅力だけでなく、手間を惜しまない方々の存在をも語ってくれる一冊である。

Posted byブクログ